- [要約]
- 罹病組織を除去し、フルアジナム水和剤 500倍液を土壌灌注処理することによりブドウ白紋羽病に対して高い防除効果が認められる。
岡山県立農業試験場・病虫部
[連絡先]08695-5-0271
[部会名]近畿中国・生産環境
[専 門]作物病害
[対 象]果樹類
[分 類]研究
- [背景・ねらい]
- 白紋羽病は温室ブドウの安定生産上大きな障害となっているが、有効な対策がないのが現状である。そこで、室内試験で本病菌に有効な薬剤としてフルアジナム(39.5%) 水和剤を選抜したので、発病樹に対する効果を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 殺菌剤46種を供試して、ブドウ白紋羽病菌培養枝片を土壌中に埋没させた後に薬液を処理する方法で、有効薬剤の選抜を行った結果、フルアジナム水和剤の効果が高かった(表1)。
- ブドウ白紋羽病発病樹に対して、平成6年春にフルアジナム水和剤 500倍液を処理した結果、6樹のうち甚発生であった1樹は枯死したが、5樹はほとんど再発せず、対照薬剤のチオファネ-トメチル水和剤 1,000倍液に勝る防除効果が認められた(表2)。
- 平成7年春にフルアジナム水和剤 500倍液を処理した6樹はすべて再発せず、対照薬剤のチオファネ-トメチル水和剤 1,000倍液に勝る防除効果が認められた(表3)。
- 本剤を処理した土壌は両年とも本病菌の増殖抑制効果が秋または、翌年春の発病調査時まで持続した。
[成果の活用面・留意点]
- 本剤のブドウ白紋羽病に対する土壌灌注処理は現在未登録であるので、登録後に使用する。
- 本試験は、シルト質土壌での発病樹を供試して、罹病根の菌糸や罹病組織をできるだけ除去した後に土壌を埋め戻しながら薬液を流し込む方法で灌注処理したものである。したがって、他の土壌条件や罹病組織を除去しないで灌注処理した場合の効果についてはさらに検討を要する。
- 本剤は治療効果がなく、発病程度が高い樹に対しては効果が劣るので、発病前から予防的に処理する。
[その他]
研究課題名:ブドウ白紋羽病の防除対策
予算区分 :県単
研究期間 :平成6年~平成7年
研究担当者:那須英夫、金谷 元、伊達寛敬
発表論文 :なし
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