転換畑黒ダイズにおける営農的排水対策


[要約]
水田転換作物として黒ダイズを栽培する場合、湿害が問題になることが多い。営農的排水対策として、耕うん方向を従来と直角にすることによって作土直下に生じる圧密分布を均平化し、ほ場中央部の停滞水を少なくすることができる。
 京都府農業総合研究所・環境部
[連絡先]0771-22-0424
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専 門]土壌
[対 象]豆類
[分 類]普及

[背景・ねらい]
 ほ場整備後水田での排水不良は、機械作業によって生じたち密な圧密層が透水性を悪化させていることが一因であり、ほ場中央部では停滞水が生じやすくなる。
 圧密層がどのように分布し、ほ場排水に影響しているのか検討し、営農的な改善方法を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 水田の深さ15㎝の硬度は測定地点による変動が大きく、作土直下に不均平な圧密層を形成していることがわかる。これは耕うん作業の方向(図1)に沿って形成していることから、トラクタタイヤによる踏圧による影響が大きい(図2)
     また、耕うん作業時の土壌水分が高いと圧密層の形成が助長される。
  2. 黒ダイズ作付け前の春耕うんの方向を慣行と直角(短辺方向)にすると、硬度分布が均一化し、圧密の程度も減少する(図2)。また、ほ場水分についても慣行 に比べて低く推移する(図3)
  3. 改善区は慣行区に比べ株当たりの着粒数が多くなり、収量が向上する(表1)

[成果の活用面・留意点]
  1. 暗きょが未整備なほ場や作土直下の層が礫質重粘土壌でサブソイラや弾丸暗きょ等簡易暗きょが入れにくいほ場において有効である。
  2. 従来からの基本技術(額縁明きょ、排水口・溝の増設等)と組み合わせることによい高い効果が期待できる。
  3. 耕うん方向を直角にするのは、作業時間や労力がかかるのでローイーションに合わせて3~5年に一度短辺方向に耕うんする回数を考慮する必要がある。

[その他]
 研究課題名:土地利用型作物栽培体系における排水不良対策と施肥基準の確立
 予算区分  :国補(環境保全型栽培基準設定調査事業)
 研究期間  :平成8年度(平成5~7年度)
 研究担当者:安川博之
 発表論文等:転換畑黒ダイズにおける営農的排水対策、京都府農業研究所研究報告、第19号、1997(印刷中).

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