- [要約]
- 有機質肥料を混合、堆積したぼかし肥料の製造時において過リン酸石灰(過石)およびゼオライトを組み合わせ添加することにより堆積期間中の臭気並びにアンモニア揮散が抑制され、完成品の窒素含有率が高くなる。
奈良県農業試験場・環境保全担当・環境保全型栽培体系チーム
[連絡先]07442-2-6201
[部会名]生産環境部(土壌肥料)
[専 門]肥料
[対 象]葉茎菜類
[分 類]普及
- [背景・ねらい]
- ぼかし肥料は有機質肥料を混合、堆積し肥効調節を容易にしたものであるが、アンモニア揮散による窒素の損失や臭気が問題である。本試験ではアンモニアの揮散抑制について素材面から検討した。
[成果の内容・特徴]
- わたみ油かす粉末、蒸製てい角粉、蒸製骨粉、山土を重量比1:2.2:1:5で混合したもの及び、これに過石1、過石1+ゼオライト1をそれぞれ添加し、含水率20%の条件下で3週間堆積後風乾した。
- 堆積期間中のアンモニア揮散量はトラップによる捕集量から推測して、過石及び過石+ゼオライトの添加により無添加のほぼ25%に抑制された(図1)。
- 過石及びゼオライトの添加により臭気は軽減された(表1)。
- 風乾した製品のT-N含有率は過石+ゼオライト添加で最も高く、次いで過石添加、標準の順であった。また、T-N残存率は過石+ゼオライトを添加した処理で最も大きく、95%以上であった(表1)。このことは、過石のアンモニア揮散抑制とゼオライトによるアンモニアの吸着による効果と考えられる。
- 製造したぼかし肥料及び原料を施用したホウレンソウの初期生育量は、過石+ゼオライト添加で最も大きく、次いで過石添加、標準、標準原料の順であった(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 堆積期間は春季で20日前後が適当であると思われる。堆積中は1~2回の切返しを行う。それ以上の堆積は分解が過剰に進行し、窒素の損失が多くなるので堆積終了後すぐに風乾して保存する。
- ぼかし肥料の施用量は灰色低地土におけるホウレンソウ栽培では窒素成分量で10kg/10aが適当である。
[その他]
研究課題名:西南暖地における軟弱野菜の生態系活用型周年生産体系の確立
予算区分 :地域重要
研究期間 :平成8年(平成4~9年)
研究担当者:有馬 毅、西田一平、宗林 正
発表論文等:第92回日本土壌肥料学会関西支部講演会、講演要旨集、1996.
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