- [要約]
- 基肥に緩効性肥料を施用したキャベツ栽培において、結球始期(球径4cm程度)に葉柄基部汁液の硝酸態窒素濃度が、春まき栽培で1,800ppm以上、夏まき年内どり栽培で2,300ppm以上あれば、追肥の必要がない。
滋賀県農業試験場・栽培部・野菜係
[連絡先]0748-46-3081
[部会名]野菜花き(野菜)、生産環境(土壌肥料)、総合研究
[専 門]肥料
[対 象]葉茎菜類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 追肥施用の労力軽減を図るため、緩効性肥料による全量基肥施用の栽培が普及しつつある。しかし、夏まき栽培では肥効が持続せず、慣行的に結球始期に追肥を行っており、環境に負荷を与えている。そこで、緩効性肥料によるキャベツの春まきおよび夏まき年内どり栽培における肥培管理技術を確立するため、コンパクト硝酸イオンメータを用いて、下位葉における葉柄基部汁液の硝酸態窒素濃度を測定することで、簡易に追肥の要否を診断する技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
- 球径4cm程度の結球始期に、キャベツの下位葉(地面に対し30~40°程度傾いた葉)を採取し、葉柄基部汁液の硝酸態窒素濃度を測定したところ、収穫時の球重と高い相関関係(r=0.97)が認められた(図1)。
- [春まき栽培] キャベツの結球始期(6/27)における、葉柄基部汁液の硝酸態窒素濃度が1,800~1,900ppmの場合、収穫時の球重は1,200g以上であった。1,500ppmの場合、収穫時の球重は963gと明らかに劣ったが、追肥を行えば1,200g以上の球重が得られた。1,300ppm以下の場合、収穫時の球重は800g以下と劣り、追肥を行っても球重が1,200gに届くことはなかった(図2)。
- [夏まき年内どり栽培] キャベツの結球始期(10/1)における、葉柄基部汁液の硝酸態窒素濃度が2,300ppm以上の場合、収穫時の球重は1,500g以上であった。1,750ppmの場合、収穫時の球重は1,346gとわずかに劣ったが、追肥を行えば1,500g以上の球重が得られた。460ppmであった場合(但し球径1.2cm)、収穫時の球重は62gと明らかに劣った(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 追肥の要否の診断は、基肥により結球始期まで十分な生育を確保した上で行う。
- 結球の進行とともに葉柄汁液の硝酸態窒素濃度が急速に減少するため、特に生育の早い春まき栽培では、診断の時期が遅れないようにする。
[その他]
研究課題名:琵琶湖集水域の田畑輪換水田および茶畑における省肥料環境保全型技術の確立
予算区分 :国補(地域基幹)
研究期間 :平成8年度(平成6年~8年)
研究担当者:濱中 正人、大谷 博実、常喜 弘充
発表論文等:なし
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