- [要約]
- 水稲の不耕起乾田直播栽培では、耕起を行わないため作土層は硬くなるが、それ以下の層ではち密度の上昇はほとんどなく、不耕起栽培により根の伸長をそがいするぼど土壌が硬くなることはない。
岡山県立農業試験場・化学部・土壌保全
[連絡先]08695-5-0271
[部会名]生産環境・総合研究
[専 門]農地整備
[対 象]水稲
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 不耕起乾田直播栽培では、長期継続により耕耘されないことや、大型機械の走行により土壌が圧密され、水稲根の伸長を阻害することが懸念される。このため、不耕起栽培の継続期間が異なる岡山市西大寺と農試内の圃場で実態調査を行った。
[成果の内容・特徴]
- 岡山市西大寺(細粒グライ土)の大型機械の走行する大区画圃場整備田(不耕起栽培3年)と、大型機械の走行しない長期不耕期継続田(不耕起栽培25年)、農業試験場内(細粒灰色低地土、灰色系)の大型機械が走行する圃場(不耕起栽培4年)で水稲収穫後土壌の貫入抵抗を調査年のコンバイン走行跡を除いた地点で調査した。
- 大区圃場整備田では不耕起栽培で作土層が硬くなっていたが、鍬床層以下では耕起移植田と同等であった(図1)。
- 長期不耕起継続田の土壌と、同一圃場内の耕起移植田の土壌を比較すると、耕起することにより作土層は軟らかくなったが、鍬床層では同じか耕起移植栽培田がやや硬い傾向がみられた(図2)
- 農試内の圃場における貫入抵抗の年次変化をみると、大型機械が走行しても土壌はほとんどかたくならなかった(図3)
- 平成6年度に農施内圃場の根量調査を行った結果、0~13㎝の範囲では不耕起栽培の方が根の乾物量は多かった。
- 農試内圃場の不耕起栽培と耕起栽培の水稲収量の差は、判然としなかった。
- 以上の結果、水稲の不耕起乾田直播栽培田では作土層は硬くなるが、それ以下の層位では耕起移植栽培田と同程度で、不耕起乾田直播栽培を継続しても、根の伸長を阻害するほど土壌は硬くならない。
[成果の活用面・留意点]
- 山中式硬度計で測定した水田土壌の主要根郡域の改良目標値(24㎜以下)は、本調査法では34.4kg/cm2 以下に相当する。
[その他]
研究課題名:長期不耕起継続田実態調査
予算区分 :土壌保全・地域基幹農業
研究期間 :平成8年度(平成4~7年)
研究担当者:赤井直彦、石橋英二
発表論文等:なし
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