- [要約]
- 水田に稲わら、乾燥牛ふんや有機質肥料を連用して水稲を栽培すると、土壌からの窒素供給量が多くなり、土壌中の微生物バイオマス窒素量も増加する。稲わら全量還元+石灰窒素2kg/aと乾燥牛ふん100kg/aのみで水稲の安定生産が図れる。
兵庫県立中央農業技術センター・農業試験場・環境部
[連絡先]0790-47-1117
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専 門]肥料
[対 象]稲類
[分 類]研究
- [背景・ねらい]
- 近年の水稲栽培では、コンバインの普及により稲わらを全量還元したり、土づくりのための家畜ふん堆肥等の施用や、消費者ニーズの多様化により有機質肥料のみを施用した栽培が行われている。そこで、稲わら、乾燥牛ふんならびに有機質肥料の連用による水田土壌への多面的な効果ならびに水稲の生産性に及ぼす影響を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 昭和63年から水稲「日本晴」を9年間栽培した。稲わら(N:0.5%)は60kg/aを11月下旬に石灰窒素2kg/a施用と同時にすき込んだ(以下秋すきという)。乾燥牛ふん(水分20%、成分率:2-1-1.5)は100kg/aを1月にすき込んだ。有機質肥料(なたね油粕・蒸製皮革粉・魚粕・菌体・蒸製骨粉・硫加を混合、成分率:6-6-5)は、窒素成分で基肥に6.5kg/a、穂肥に3.0kg/aを施用した。
- 土壌中の全窒素含有量は肥料や資材の投入量が多いほど高い値を示す(図1)。
- 資材の投入量が多いほど土壌中の微生物バイオマス窒素量が増加することから、資材の連用が土壌中の窒素供供給力を高めることがうかがえる(図2)。
- 収穫期までに水稲に吸収される窒素量は、肥料や資材の投入量が多いほど増加する傾向にある(図3)。
- 収量の年次推移は、秋すき+乾燥牛ふん区が無肥料であるにもかかわらず他の資材・肥料施用区と同等の収量が得られることから、秋すき処理と乾燥牛ふん100kg/aを連用することで水田の窒素供給力ならびに水稲生産力の向上と維持が図れることがうかがえる。また、秋すき+乾燥牛ふん+化学肥料施用区は、土壌中の窒素量や稲体の養分吸収量は多いものの、過繁茂による倒伏等により収量的には不安定である(図4)。
[成果の活用面・留意点]
- これらの成果は、湿田や砂礫質漏水田を除く兵庫県南部平坦地の普通期栽培地帯に適用できる。
[その他]
研究課題名:水稲に対する有機質資材並びに有機質肥料の影響
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成2~7年)
研究担当者:牛尾昭浩、桑名健夫、松山 稔
発表論文等:なし
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