大阪府下シュンギクの流通における品質の実態


[要約]
シュンギクの小売り段階の品質を収穫直後のものと比較すると、包装の有無に関わらず、葉緑素含量はほとんど変化しないが、カロテン及び総ビタミンC含量は著しく低下している。その原因は温度管理の不備にある。
 大阪府立農林技術センター・環境部・農産利用室
[連絡先]0729-58-6551
[部会名]流通利用
[専 門]加工利用
[対 象]葉茎菜類
[分 類]指導

[背景・ねらい]
 大阪府のシュンギクは生産量が全国第2位の地域特産農産物であり、「なにわブランド特産品」として選定・認証し、その産地育成と消費拡大に努めている。しかし、流通段階での鮮度低下が著しいため、その品質保持技術の確立が重要な課題となっている。
 そこで、シュンギクの流通段階の品質状況を調査し、併せて、貯蔵試験を実施し、鮮度低下の原因の究明と対策を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 府下で販売されているシュンギクは、店頭販売の50~86%のものが何らかの包装をしている。府内産の包装割合は33~75%であり、7、8月の割合は低い(表1)
  2. いずれの調査時期においても、葉緑素含量はそれほど低下はしていない。しかし、7、8月の夏期高温期には外観的に商品性の低下が一部に見られた(表1)
  3. カロテン及び総ビタミンC含量は、包装の有無に関わらず、いずれの調査時期においても、収穫直後のもの(所内及び現地で調製)に比し、著しく低下している(図1、2)
  4. ポリエチレンフィルムを用いた貯蔵試験において、カロテン含量は10℃ではあまり低下しないが、20℃では著しく低下する。また、総ビタミンC含量は10℃でも著しく低下することから、総ビタミンCの保持は10℃より低温が必要である(図3)
  5. 貯蔵試験の結果からみて、流通段階におけるカロテン及び総ビタミンC含量の低下は流通過程での日数経過、貯蔵温度等の影響によるものと思われる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 大阪府下小売り段階でのシュンギクは、カロテン及び総ビタミンC含量の低下が認められた。そのため、流通段階での保存状況についてさらに検討する必要がある。
  2. 内容成分を含めたシュンギクの品質保持には低温管理が重要であり、10℃では不十分で、さらに低い温度の管理、コールドチェーンの整備等による改善が望ましい。

[その他]
 研究課題名:なにわブランド野菜の高品質化技術の確立
 予算区分  :府単
 研究期間  :平成8年度(平成6~8年)
 研究担当者:原 忠彦、中村 隆、因野要一
 発表論文等:シュンギクの品質変動、大阪農技セ研報、33、1997.

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