少量培地とセル成型苗によるホウレンソウの不耕起連続栽培


[要約]
腰の高さのベンチに少量培地とロックウール組み合わせた栽培ベッドに約4葉のセル成苗を定植する。1作平均在圃期間は約30日で、不耕起連続栽培により年間10~11作が可能である。また、中腰作業が無くなり作業能率が約18%向上する。
 広島県立農業技術センター・園芸研究部・環境研究部
[連絡先]0824-29-0521
[部会名]野菜・花き(野菜)
[専 門]栽培
[対 象]葉茎菜類
[分 類]普及

[背景・ねらい]
 本県のホウレンソウの主要産地は中北部地帯で、粘質土が多く、土作りに多くの労力と時間を要している。また、ホウレンソウの作業の難点は中腰の作業が続くことにある。そこで、少量培地とロックウールを組み合わせた栽培ベッドにセル成型苗を定植し、土作りを簡易化し、収穫回数の倍増と軽作業を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 288穴セルトレイに培用土として2.5Lの与作N150と10gマイクロロング(12-10-11)を混合する。
  2. セル当たり1株とし、4葉程度まで育苗し(表1)、10×15㎝間隔に定植する。
  3. 栽培ベッドはロックウールマット(厚さ75㎜)の上にポリエステル繊維の遮根シートを張り、培地はマサ土ないしクロボク土トバーク堆肥を容積割合で1:3に混合する(図1)
  4. 培地量7㎝区は、含水率が生育期間を通じ23%前後で推移し、水ストレスを受けることもなく葉面積の拡大が順調で乾物重が重かった(図2)
  5. 施肥と灌水は、定植前に液肥(10-4-8)を窒素成分で100~150mgL-1 養液を用いてロックウールを飽和状態にする(図3)。生育途中の灌水は高温時期以外は必要ない。生育終了時のロックウールマットの水分率約12%で、排液は出ない。
  6. 作業強度は地床栽培と差はないが、中腰作業がなく、作業能率が約18%向上する。
  7. 定植から収穫までの1作の平均在圃期間は約30日で、年間10~11作が可能である。収量は1作平均10㎡当たり約16㎏である。
  8. セル部除去により不耕起連続栽培が可能であり、現在15作目を栽培中である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 5月~9月は遮光率35~45%の遮光資材が11月~3月はビニールによる二重被覆が必要である。
  2. 「ひろしま型技術」導入推進事業で、事業化の予定である。

[その他]
 研究課題名:ホウレンソウ・コマツナ等収穫回数倍増技術の開発
 予算区分  :県単
 研究期間  :平成8年度(平成6~8年)
 研究担当者:伊藤悌右、青山幹男、後 俊孝、國田丙午
 発表論文等:少量培土とロックウールを組み合わせた培地によるホウレンソウの不耕起連続栽培、園芸学会雑誌、第65巻、別冊2、1996.
             ロックウールと培土を組み合わせたベンチ栽培の土壌管理法、第92回土肥学会関西支部講演要旨集、1996.

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