- [要約]
- 熟畑におけるハウストマトの有機物畝上施用による不耕起栽培は耕起栽培に比べて、収量が半促成栽培でやや少ないが、ハウス抑制栽培ではほぼ同等であり、省力的な栽培法といえる。
岡山県立農業試験場・野菜・花部
[連絡先]08695-5-0271
[部会名]野菜・花き(野菜)
[専 門]栽培
[対 象]果菜類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 一般にトマト栽培では土つくり、畝立てなど定植時に重労働を強いられる。有機物が多く施用され、土壌の腐植含量が高まった圃場では耕起しないでも生育に適する地下部環境が得られることが考えられる。そこで、栽培の省力、軽労働化を図るために有機物の畝上施用による不耕起栽培が収量および土壌の理化学性に及ぼす影響について検討した。
[成果の内容・特徴]
- 有機物を連用し、腐植の多い土壌における不耕起栽培(以下、不耕起栽培A)の収量は耕起栽培に比べて、ハウス抑制栽培では1年目から4年目までほぼ同等であり、半促成栽培では1年目から3年目までわずかに少ない(表1)。
- 化学肥料を連用し、腐植の少ない土壌における不耕起栽培(以下、不耕起栽培B)の収量は耕起栽培に比べて、ハウス抑制栽培では1年目に少ないが、2年目以降には同等になる。半促成栽培では1年目にわずかに少ないが、2年目以降には同等になる(表1)。
- 土壌の化学性について試験開始3年目を試験開始前に比べると、耕起栽培ではEC、T-N、T-C、可給態リン酸およびK2 Oが高い。これに対して不耕起栽培AではECがやや高いが、T-C、T-N、可給態リン酸およびK2 Oは同等である。不耕起栽培BではEC、T-C、T-N、可給態リン酸およびK2 Oが高い(表2)。
- 耕起栽培に比べて不耕起栽培の根はややまばらである(図1)。
- 第2層(層界より下)における土壌の物理性については、耕起栽培に比べて不耕起栽培A、Bともに固相率が高く、粗孔隙率が低く、ち密度が高い。この傾向はとくに不耕起栽培Bが不耕起栽培Aより顕著であった。土壌表面から下方へ20㎝までの貫入抵抗値は耕起栽培に比べて不耕起栽培A、Bともに大きい(表3、図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 十分熟成した堆肥を毎作600~300㎏/a畝上施用して栽培する。
- 定植した苗鉢と畝上施用の堆肥がなじみにくいので、活着するまで潅水に努める。
[その他]
研究課題名:有機無農薬野菜の生産安定化技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成4~8年)
研究担当者:貝原三雄、久山弘巳
発表論文等:なし
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