- [要約]
- 保肥力の小さいマサ土施設畑におけるトマトの半促成裁培で、被覆複合肥料(窒素7~8㎏/10a)を全量基肥施用すると、収量・品質は配合肥料を基肥と追肥(窒素10㎏/10a)で施用する場合と同等であり、施肥量が節減できる。
広島県立農業技術センター・島しょ部研究部
[連絡先]08452-5-0004
[部会名]野菜・花き(野菜)
[専 門]栽培
[対 象]花菜類
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 瀬戸内沿岸島しょ部地帯に分布するマサ土(花崗岩風化土壌)は保肥力が小さい。そのため、肥料分が溶脱しやすく、比較的施肥量が多い野菜栽培では環境への負荷が懸念される。そこで、肥効調節型肥料を利用した施設栽培トマトの施肥量節減技術を検討する。
[成果の内容・特徴]
- ‘ハウス桃太郎’を用いた半促成栽培(6段摘心)では、被覆尿素(120日タイプ)を全量基肥施用すれば、有機配合肥料(基肥+追肥の窒素10kg/10a)を施用する場合に比べ、2~3割減肥(窒素7~8kg/10a)しても成長量に差はなく、同等の収量が得られる(図1、図2)。
- 慣行として有機配合肥料(基肥+追肥の窒素24+27=51kg/10a)を施用している広島県内産地の圃場(‘桃太郎8’、半促成栽培、7段摘心)では、被覆燐硝安加里(100日タイプ)又は被覆尿素(120日タイプ)全量基肥施用すると、窒素20kg/10aとしても収量・品質は慣行と同等で、施肥量が節減できる(図3)。
- 半促成栽培で温度依存型の肥効調節型肥料を全量基肥施用(窒素20kg/10a)とすると、普通化成肥料(基肥+追肥の窒素51kg/10a)を施用した場合に比べ栽培中の土壌のECの変動が小さく肥効が安定している(図4)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果はマサ土施設畑での半促成栽培の結果であり、土壌や作型が異なる場合は適用できない。
[その他]
研究課題名:野菜産地の持続的再生産を支援する環境制御技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成6~8年)
研究担当者:房尾一宏、山本哲靖、若山 譲* (* 現三次地域農業改良普及センター)
発表論文等:なし
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