切り花の元切り折り曲げ栽培における高品質増収技術


[要約]
切り花バラの元切り折り曲げ栽培では、折り曲げ後の摘心回数は1回、採花位置はシュート発生基部からすると、切り花長が長く、収量が多い。また、耕土深15cmの土壌水分がpF1.8のときに潅水すると、切り花品質が優れる。
 広島県立農業技術センター・島しょ部研究部
[連絡先]08452-5-0004
[部会名]野菜・花き(花き)
[専 門]栽培
[対 象]花き類
[分 類]普及

[背景・ねらい]
瀬戸内沿岸島しょ部地帯の土耕栽培による切り花バラ生産では、夏期の高温により収量及び品質の低下が認められている。そこで、元切り折り曲げ方式により、年間を通じて秀品生産が可能な技術を開発し、生産増加及び安定のための知見を得る。

[成果の内容・特徴]

  1. 土耕栽培での元切り折り曲げ方式は、穂木から発生したベーサルシュート等を地際から約80cm(腰の高さ)で折り曲げる。その後、折り曲げ周辺部から発生するシュートを、5枚葉を残さずシュート発生基部から採花する方式である。この方式は、慣行の高作り方式に比べて、年間収量が6%多く、また7~9月においても60cm以上の切り花が多く得られる。
  2. 折り曲げ後の摘心回数が1回及び2回では、‘ローテローゼ’の株当たりの切り花本数が、それぞれ年間36.1本、34.2本で、3回に比べて70%以上多い(図1)
  3. 耕土深15cmの土壌水分がpF1.8のときに潅水すると、切り花長60cm以上の割合は年間29.9%であり、他の処理に比べ最も高い。‘エスキモー’の株当たりの切り花本数は年間約100本で、pF1.8~2.1の範囲で、ほとんど差がない(図2)
  4. 採花位置を元切りすると、‘ローテローゼ’の2年間の株当たり切り花本数は25.4本で、他の処理に比べて27.6~41.1%多く、切り花長60cm以上の割合は64.8%と最も高い(図3、図4)
  5. 窒素濃度が5~20ppmの液肥で週1回施用(0.39~1.56kg/a/年)の範囲では、20ppm施用の切り花本数が年間30.2本で、他の処理に比べて18%以上多い(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]

  1. この成果は、土耕栽培によるものである。
  2. 品種が異なると、この結果異なる場合がある。

[その他]
 研究課題名:洋ラン・バラの周年生産技術の開発
 予算区分  :単県
 研究期間  :平成8年度(平成6~8年)
 研究担当者:石倉 聡、井上広文、梶原真二
 発表論文等:なし

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