分割離乳等を利用した子豚の一連的育成法


[要約]
初生から離乳後にかけての子豚を用い発育ステージに応じて代用乳給与、分割離乳及び酸性水(クエン酸水)給与の3つの技術を一連的に実施することにより発育促進と下痢等による損耗防止が図れる。
 京都府畜産研究所・中小家畜部
[連絡先]0773-47-0301
[部会名]畜産
[専 門]飼育管理
[対 象]豚
[分 類]普及

[背景・ねらい]
 近年、豚の改良は進み分娩頭数の増加や発育向上による離乳日齢の短縮がみられるが、反面一腹子豚数の増加に伴う虚弱豚の出現や育成率の低下が生じやすくなっている。一方、子豚育成期の発育不良は肥育期間の延長をもたらし生産性を低下させている。これらの問題を解消するため代用乳給与、分割離乳及び酸性水給与に取り組み、哺乳豚の発育や育成率の向上、離乳豚の発育停滞の軽減、発育斉度の向上及び飼料効率の改善において一定の成果を得ている。今回は生産性をより向上させるため、この3つの技術を組み合わせ発育ステージごとの育成法について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 1週間の範囲で分娩日の異なる3腹子豚を供試し、虚弱豚(生時体重1kg未満)に対する3日間の分離処置を伴う1週間の代用乳給与、3腹の平均21日齢と28日齢の2回に分けて体重別に実施する分割離乳、離乳5日後から2段階濃度での酸性水給与の3つの技術を生時から育成初期まで一連的に実施する(図1)
  2. 一腹子豚数が概ね13頭以上と多い場合、育成率の低下がみられるが代用乳給与を実施した試験区では育成率の低下は軽減する(表1)
  3. 離乳時体重は試験区が対照区を大きく上回り、一腹総体重も同様で哺乳期の良好な子豚の発育が得られる(表2)
  4. 離乳以降の子豚の下痢、軟便は減少傾向で、平均体重は増加し、60日齢、90日齢では試験区と対照区で有意な差がみられ、発育向上が図られる(表2)
  5. 変動係数は分割離乳後著しく低下し、以降90日齢まで試験区で低い推移がみられ、斉一性の向上が図られる(表2)

[成果の活用面・留意点]

  1. 複数腹に対して行う場合はできるだけ分娩日の近い数腹で実施することでよりよい成果が期待される。
  2. 代用乳及びクエン酸の原料費は1頭当たり404円及び171円、合計575円である。

[その他]
 研究課題名:分割離乳等を利用した子豚の高度育成法の確立                  
 予算区分  :府単                                                        
 研究期間  :平成8年度(昭和63~平成6年)                            
 研究担当者:杜下秀樹、佐々木敬之、荒田好彦                              
 発表論文等:分割離乳等を利用した子豚の高度育成法の確立、京都畜研成績、34号、1994.
             分割離乳等を利用した子豚の高度育成法、養豚の友、10号、1995.

目次へ戻る