- [要約]
- 黒毛和種去勢牛の肥育後期(21か月齢以降)の濃厚飼料中非繊維性炭水化物(NFC)濃度を55%(乾物中)にしたものは,肉質には差は見られなかったが,増体が最も良かった。
兵庫県立中央農業技術センター・畜産試験場・家畜部
[連絡先]0790-47-1117
[部会名]畜産
[専 門]飼育管理
[対 象]肉用牛
[分 類]指導
- [背景・ねらい]
- 肥育牛に穀類を多給すると脂肪蓄積が増加するため,黒毛和種肥育牛においても多くは穀類を中心とした濃厚飼料多給型で飼養されている。しかしながら,穀類(炭水化物)を多給しても牛がそれを十分に消化・吸収しなければ肥育効率は低下する。また,飼料の種類によりエネルギー水準が同一でも消化性が異なる。そこで,濃厚飼料中の非繊維性炭水化物(NFC)含量に注目し,肥育後期の濃厚飼料中NFC濃度が増体,肉質に及ぼす影響を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 濃厚飼料中NFC濃度を表1に示したように農家で応用可能な範囲である高(約65%),中(約60%),低(約55%)の3段階とし,中及び低NFC区には油脂を添加しTDN濃度を一定とした。これらの飼料を肥育後期(21~32カ月齢)の黒毛和種去勢牛(高NFC区:4頭,中NFC区:3頭,低NFC区4頭)に給与した(表1)。
- TDN摂取量は低NFC区が多く,NFC摂取量は各区とも同様であった(表2)。
- 増体は低NFC区が最も良かった(表3)。
- 脂肪交雑は良いものから低,高,中NFC区の順となった(表4)。
- 以上の結果から,粗飼料の給与割合が15%程度では,肥育後期の濃厚飼料中NFC濃度は,効率的な肥育をする上で55%程度(乾物中)が一つの目安と考えられる。
[成果の活用面・留意点]
- 肥育牛は濃厚飼料多給で飼育されるが,この成績は一定の基準を設定するのに活用できる。また,粗飼料の給与割合が異なると濃厚飼料中NFC濃度の最適値も異なる可能性がある。
[その他]
研究課題名:飼料中デンプン濃度が黒毛和種肥育牛の増体,肉質に及ぼす影響
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成6~8年)
研究担当者:岡章生、道後泰治
発表論文等:なし
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