イタリアンライグラスの刈取時期が消化性、嗜好性、採食・反すう時間に及ぼす影響


[要約]
イタリアンライグラスサイレージ調製時の生育ステージと養分消化性、嗜好性について調査したところ、耐倒伏性品種の場合、穂ばらみ期から出穂初期が最も優れており、生育が進むにつれ養分消化性、嗜好性とも低下する。
 京都府畜産研究所・大家畜部
[連絡先]0773-47-0301
[部会名]畜産
[専 門]動物栄養
[対 象]乳用牛、牧草類
[分 類]指導

[背景・ねらい]
 高泌乳牛における泌乳初期の高い養分要求を充足するためには、繊維成分の消化率が高く栄養性に優れた粗飼料の給与が必要と考えられる。そこで、高泌乳牛に適するサイレージの刈取調製時期を検討して高栄養粗飼料生産調製技術を確立するため、京都府内で代表的な飼料作物であるイタリアンライグラスについて、刈取時の生育時期が消化性、嗜好性及び採食・反すう時間に及ぼす影響について調査した。

[成果の内容・特徴]

 供試品種はタチワセで、サイレージ調製は各生育時期とも約1日予乾したものを3cm程度に切断しサイロに詰めた。
 消化性及び嗜好性調査に用いたサイレージの概要は表1のとおりで、消化試験はめん羊3頭を用いて全ふん採取法で実施した。嗜好性試験は泌乳中期の乳用牛4頭を用いて各成育時期について二者択一法(採食時間15分間)で実施した。
 採食・反すう時間調査(予備試験5日間、本試験2日間)は乳用牛3頭(乾乳牛2頭、初妊牛1頭)を用いてVTR撮影により実施した。
  1. 乾物及び繊維成分の消化率は生育時期が進むにつれて有意に低下する。乾物中のTDN含量も1日当たり約1%低下し、出穂初期以降10アール当たりのTDN収量は増加しない(図1、表1)
  2. 穂ばらみ期の嗜好性を100とすると出穂揃期は34で開花直前期は2にまで低下し、生育時期が進むにつれ嗜好性は低下する(図2)
  3. 乾物1Kg当たりの採食・反すう時間及び1反すう期の時間は生育時期の若いものの方が長くなった(表2)

[成果の活用面・留意点]

 タチワセのような耐倒伏性に優れた品種では、高泌乳牛向けには『穂が見え始めたら刈る』のが望ましい。

[その他]
 研究課題名:繊維消化率の高いグラスサイレージによる高泌乳牛の飼養試験
 予算区分  :府単
 研究期間  :平成8年度(平成6~8年)
 研究担当者:東井滋能、戸川博行、椿 昇
 発表論文等:繊維消化率の高いグラスサイレージによる高泌乳牛の飼養試験、京都畜研成績、35~36号、1995~1996.

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