黒毛和種去勢牛肥育前期の飼料給与法による飼料費節減


[要約]
兵庫系黒毛和種去勢牛の肥育前期(10~18ヵ月齢)において濃厚飼料のTDN(88%、77%)と粗飼料割合(20%、15%)を比較すると、TDN 77%で粗飼料割合 20%の場合に増体1kgに要した飼料費が最も安価である。
 京都府碇高原総合牧場・家畜部
[連絡先]0772-76-1121
[部会名]畜産、総合研究
[専 門]飼育管理
[対 象]肉用牛
[分 類]研究

[背景・ねらい]
 中山間地域における和牛肥育経営の活性化を図り、国際競争力を高めていくために、低コストでかつ効率的な肥育技術の開発が急務である。
 そこで、飼料費の節減を目的に群飼不断給与による前期飼料給与法について検討する。
 肥育前期(10~18ヵ月齢)の去勢牛にDM中のTDNが 88%(H区)と 77%(L区)の濃厚飼料を給与し、さらに粗飼料割合(DM比)を 20%(チモシー乾草)と 15%(チモシー乾草 10%、稲ワラ5%)とし、増体及び枝肉成績を調査する。
 なお、肥育後期(19~26ヵ月齢)はいずれも濃厚飼料TDN88%、粗飼料割合10%(稲ワラ)とし、濃厚飼料CPは前後期ともDM比16%とする。

[成果の内容・特徴]

  1. 前期の増体は粗飼料割合 15、20%ともH区が優れるが、後期は同一飼料の給与にもかかわらず代償性発育によりL区が優れるため、HL両区の通算DGに差は認められない(表1)
  2. TDN摂取量は粗飼料割合 15、20%とも前期はH区が多く、後期はL区が多い。全期間では、粗飼料割合 20%のL区が少なく、かつTDN要求率が優れる(表2)
  3. 皮下脂肪厚は 2.5~3.0㎝と薄く、脂肪交雑基準値は 2.4~3.3(BMS№8.3~9.7)と良好であるが、TDNと粗飼料割合の間に一定の傾向は認められない(表3)
  4. 粗飼料割合 15%では、肥育後期においてビタミンA不足によると推察される盲目及び筋間水腫が発生する(表3)
  5. 増体1kg当たり飼料費は、粗飼料割合 20%のL区が 475円で最も安価である(表4)

[成果の活用面・留意点]

  1. 肥育前期のTDNを抑えることにより後期DGが増加し、飼料費の節減を図ることができるが、後期にはTDNを上げる必要がある。

[その他]
 研究課題名:高級牛肉の合理的生産技術の確立
 予算区分 :国補(地域基幹)
 研究期間 :平成8年度(平成6~12年)
 研究担当者:松下厚志、西井義博、安藤嘉章
 発表論文等:なし

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