黒ぼく土による畜産廃水の脱色技術


[要約]
火山灰土壌である黒ぼく土は、養豚二次処理廃水中に残存する茶褐色色素を良く吸着する性質を持つ。この土を用いたカラムによって、廃水を脱色することができる。
  大阪府立農林技術センター・畜産部・応用畜産室
[連絡先]0729-58-6551
[部会名]畜産
[専 門]環境保全
[対 象]豚・他
[分 類]研究

[背景・ねらい]
 糞尿汚水を好気的に微生物処理した場合、BOD成分や窒素等は除去されるが、フミン酸やメラノイジンと呼ばれる難分解性の色素成分が残存するため処理水が茶褐色を呈する。色の付いた処理水は視覚的に汚濁感が強く、大量に放流すると周辺住民の苦情の対象となることが多い。最近、有色廃水に対して規制を設ける動きも見られ、畜産廃水についても脱色処理を行う必要性が高まってきている。すでに、オゾン処理や活性炭処理による脱色技術が報告されているが、いずれも処理コストが高くつくという問題がある。そこで、安価で簡易な畜産廃水の脱色技術を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 様々な土壌について、有色処理水に対する脱色率を調べた結果、鳥取県大山で採取した黒ぼく土(火山灰土壌)が色素を良く吸着し、高い脱色率(76.8%)を示した(表1)
  2. 1gの黒ぼく土で300mlの処理水を脱色し、その脱色限界(脱色率が60%以下になった時点の処理量)を調べた。その結果、黒ぼく土1gの脱色可能な処理水量は約60mlと推定された(図1)
  3. 黒ぼく土500gを用いた脱色装置(図2)で処理水を1日当たり100ml、連続30日間脱色処理したところ、脱色率は77%以上を維持した(図3)
  4. 脱色処理によって同時にCOD及びBOD成分も除去され、除去率はそれぞれ73%以上、60%以上を確保できた(図3)

[成果の活用面・留意点]

 黒ぼく土の脱色可能な処理水量を基にして、設置脱色槽の必要容量が算出できる。黒ぼく土の窒素除去効果は期待できないため、処理方法を別途検討する必要がある。本技術は「黒ぼく土を用いた有色廃水の脱色方法」として特許出願中である(1996年)。

[その他]
 研究課題名:都市型低公害畜産経営システム確立試験
 予算区分  :府単
 研究期間  :平成8年度(平成6~9年)
 研究担当者:森 達摩、崎元 道男

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