蒸し度が異なった荒茶の分級後の品質向上効果の相違


[要約]
蒸し度を変えて製茶した荒茶を総合仕上げ機で分級し、さらに色彩選別機で選別した茶の品質(かさ密度、色、品質)について調査した。蒸し度を進めて製茶した荒茶は分級、色彩選別処理の効果が高く、本茶(色彩選別後)の価格上昇も大となった。
 奈良県農業試験場・茶業分場・新嗜好茶チーム
[連絡先] 0742-81-0019
[部会名] 茶業
[専 門] 加工利用
[対 象] 工芸作物類
[分 類] 指導

[背景・ねらい]
 奈良県の茶農家では荒茶までを生産し、荒茶を販売し、その後の加工は流通業者で行われている。荒茶を生産する場合においても、その荒茶が分級等の再製加工の工程でどのように変化をするかを考慮して荒茶を生産することは高価格で販売する重要な要因の一つである。また、将来再製加工を行った後に、販売するという流通形態も考えられる。
 そこで、蒸し度の異なった荒茶について分級ならびに色彩選別を行い、品質(色、かさ密度等)を調べた。

[成果の内容・特徴]

  1. 蒸し度は蒸機の撹はん軸と蒸胴の回転数を変えて調節し、胴回転35rpm,攪はん軸620rpmを蒸し度をすすめた荒茶とし、胴回転30rpm,攪はん軸300rpmで蒸熱した場合を標準蒸し度の荒茶とした。供試した原葉は”めいりょく”一番茶芽である。
  2. 荒茶の分級は総合仕上げ機で粉、とび、頭、本茶に分級した後、本茶を色彩選別機で本茶(色彩選別後)と茎にわける。これらを2反復行った。
  3. 蒸し度をすすめた荒茶の場合、分級後の本茶が少く、しかし逆に色彩選別後の茎は少ない(図1)
  4. 蒸し度をすすめた荒茶は、緑色の程度を示す-a/b値が大となり緑色が濃くなる。さらにこれを分級-色彩選別することでさらに濃緑色の茶が得られる(図2)
  5. 煎茶の細かさを示すかさ密度は、標準的な蒸し度の荒茶の場合は大となるが、分級-色彩選別をすることで改善され、本茶(色彩選別後)では蒸し度の差がなくなる(図3)
  6. 分級-色彩選別の品質向上効果は、蒸し度をすすめた荒茶のほうが大となる(表1)

[成果の活用面・留意点]

 荒茶加工の参考とする。また、留意点としては原葉の形質ならびに製造方法と分級方法等を総合的に整理する必要がある。

[その他]
 研究課題名:大和茶ブランド化のための製茶技術の確立
 予算区分  :県単
 研究期間  :平成8年(平成8~10年)
 研究担当者:谷河明日香、米谷 力
 発表論文等:なし

目次へ戻る