- [要約]
- 従来の雨落ち部重点の施肥位置を細根が多い茶樹株下に拡大することにより、株下土壌の無機態窒素濃度は年間を通じて安定しており、効率的な肥料吸収が期待でき、製茶品質は向上し施肥量の削減が出来る。
京都府立茶業研究所・栽培課
[連絡先]0774-22-5577
[部会名]茶業
[専 門]栽培
[対 象]工芸作物類
[分 類]研究
- [背景・ねらい]
- 茶園の施肥は、通常うね間の雨落ち部に局所的に行われるために、その部分の土壌環境は劣悪化し、根の生育は阻害され、肥料成分の溶脱も多くなっている。そこで、これまでのうね間の施肥に加えて茶園の株下土壌に春肥及び秋肥の一部を施用し、株下施肥の有効性を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 土壌無機態窒素濃度は、株下部では施肥量の多いうね間に比較して低い傾向がある。また、株下施肥により、慣行施肥のうね間に比べ、株下部は比較的安定した濃度で推移し、うね間の部分は秋期には慣行施肥と同程度に維持される(図1)。
- 春肥と秋肥をなたね油粕と化成肥料(13-13-13)の合計窒素成分量で3.22㎏/10a(年間施用量26.15㎏/10a)株下に施用しても、株下土壌のECは0.8mS/cm以下に維持されており、茶樹の生育に対し濃度障害の可能性は低い(図2)。
- 株下施用が生葉収量に及ぼす効果は、1年目(平成7年)では差が認められないが、2年目(平成8年)では減収となる。しかし、一番茶新芽の生育は、芽長は長く、百芽重は重くなる。また、製茶品質は株下施肥の方が良好で、荒茶中の全窒素含有率も高くなる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 春と秋の両方の施肥時期に株下施肥すると土壌が酸性化するので、うね間に土を取り出すなどによりpH4.5~5.0の範囲に酸度調整が必要である。
[その他]
研究課題名:中山間地域における品質向上と環境負荷低減のための合理的施肥管理技術の確立
予算区分 :地域重要
研究期間 :平成8年度(平成6年~9年)
研究担当者:上辻久利、藤井孝夫、荻 安彦、市田孝博
発表論文等:なし
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