- [ 要約]
- ①機械移植に適する苗の草丈は概ね8cm程度である。②定植適期苗は1~2℃で1カ月程度冷蔵貯蔵が可能である。③キャベツの秋取り~冬取り栽培は、播種・定植の時期を慣行栽培より5~7日程度早める。④全自動移植機・乗用管理機・運搬機器を利用したキャベツの作業体系では、10a当たり作業時間を約30%削減できる。⑤セル成型苗、歩行型全自動移植機を導入したキャベツ栽培は、概ね3ha以上の栽培規模で慣行手植え栽培より有利になる。
兵庫県立中央農業技術センター 園芸部・経営実験室
兵庫県立北部農業技術センター 農業部
兵庫県立淡路農業技術センター 農業部
[連絡先]0790-47-1117
0796-74-1230
0799-42-4880
[部会名]総合研究
[専 門]栽培、作業、経営
[対 象]キャベツ、レタス
[分 類]普及
- [背景・ねらい]
- 最近、軽量かつ省力的で機械化適応性の見込めるセル成型苗の普及や、移植機導入に伴い、セル成型苗の育成法並びに栽培管理上の留意点等の系統だった指導資料を求められるようになり、主として普及員、営農指導員を対象とした県内向けの技術指針を作成した。
[成果の内容・特徴]
- キャベツ、レタス栽培の機械利用体系として図1を提示した。この体系により10a当たり作業時間を約30%削減でき、定植・中間管理・運搬作業の軽労化が可能となる。
- 育苗培地の窒素量は培養土1リットル当たり100~150mgとする。追肥には窒素100ppm程度の液肥を用い、徒長苗にならないよう草丈8cm程度の苗に仕上げる。
- 高温期のレタスの育苗では、チッソに対してリン酸、カリ成分の高い液肥を施用すると、地上部の生育を適度に抑えた良苗が得られる。
- キャベツ、レタスの定植適期苗は蒸散を抑制するようビニールで覆い、1~2℃の冷蔵庫内で1カ月程度貯蔵ができる。また、レタスの定植適期苗はジェトフェンカルブ・チオファネートメチル 1,000倍液を散布処理することにより、100日程度の貯蔵が可能である(表1)。
- キャベツの秋取り~冬取り栽培では、慣行の栽培に比べ収穫時期が遅れるため、播種や定植の時期を5~7日程度早めるのがよい。県北高原地域の越冬栽培も同様である。また、県南平坦地における9月初旬以降の定植は、品種によっては結球緊度が低下し品質低下を招く(図2)。
- セル成形苗と歩行型全自動移植機を利用したキャベツ栽培は、概ね3ha以上で慣行手植え栽培よりも有利になる(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 機械利用を図るには作業能率向上のため旋回地を設けるなど、栽植様式を改善する必要がある。
- 高温期の育苗は潅水過多による苗の徒長に注意する。
- キャベツの春取り栽培は抽苔等の品質低下の問題があり、引き続き試験を行っている。
- 機械導入には共同利用組織の整備が必要である。
[その他]
研究課題名:野菜産地の維持形成のための機械化、軽作業化による安定生産技術体系の確立
予算区分 :国庫助成(地域基幹)
研究期間 :平成8年度(平成6~10年)
研究担当者:北部農技:福嶋昭、中央農技:竹川昌弘、大西忠男、米谷正、松本功、
淡路農技:岩田均
発表論文等:「セル成型苗・全自動移植機を利用したキャベツ、レタスの機械化栽培技術
指針」:平成9年3月。
竹川昌弘、大西忠男、米谷正、松本功、福嶋昭、岩田均
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