まっ茶臼の温度とまっ茶の品質との関係解明


[要約]
まっ茶臼の温度は、20℃の室温で粉砕開始から8時間で約50℃まで上昇し、50℃前後がまっ茶臼の粉砕中の摩擦で起こる温度の上限と考えられ、連続粉砕でまっっ茶臼の温度が高いものほど品質は向上する。
京都府立茶業研究所・製造課
[連絡先]   0774-22-5577
[部会名]   茶業
[専 門]    加工利用
[対 象]     工芸作物類 
[分 類]    研究

[背景・ねらい]
 まっ茶臼(石臼)の改良」、「てん茶の粉砕試験」等多くの粉砕に関する試験等が行われているが、てん茶の粉砕においてまっ茶臼に勝るものはないといわれている。これはまっ茶臼で粉砕したとき比較的粒度が安定していること、さらに、まっ茶の持つ独特の芳香がまっ茶臼での粉砕のとき、適度な摩擦熱により生成されるためとされている。
 この摩擦熱が品質に及ぼす役割は大きいと考えられるが、まっ茶臼の温度と品質との関連など不明な点が多い。
 そのため、このまっ茶臼の温度上昇と品質の関係を調査した。

[成果の内容・特徴]

  1. 連続粉砕中のまっ茶臼の温度は、室温20℃で粉砕開始から8時間で約50℃まで上昇する。
     また、まっ茶臼の温度を60℃、47℃、40℃に赤外線ランプで加温すると、予備粉砕時に設定した温度より、まっ茶臼の温度がやや下がり、60℃の加温処理では、さらに2時間の粉砕で約 3℃下がる。室温20℃では50℃前後がまっ茶臼の粉砕中の摩擦で起こる温度の上限と考えられる(図1)。
  2. 官能検査によるまっ茶の品質は、連続粉砕では、温度が高いほど品質が向上する。加温処理でも温度が高いほど品質は向上するが、連続粉砕に比較して、やや色沢が劣り、滋味で感じる香りが少なく、やや淡泊となる。粉砕中の温度推移から考えると、連続粉砕より加温処理の品質が劣る(表1)。
  3. まっ茶中の硫化メチル含量は、官能検査の香味の得点が高いほど含量が多くなる。 

[成果の活用面・留意点]

     まっ茶臼の温度分布の把握と品質向上のためのまっ茶臼の温度制御方法の検討をする必要がある。

[その他]
研究課題名 : まっ茶臼の温度と香気との関係解明
予算区分   : 府単
研究期間   : 平成9年度(平成7~9年)
研究担当者 : 牧 英樹、和泉 秀明、村上 宏亮、瀬戸谷 隆治
発表論文等 : なし
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