- [要約]
- 過排卵処理による胚採取成績に及ぼす要因としては、産次、反復過排卵処理等の影響が認められ、5~6産の産次の胚採取成績が最も優れる。
島根県立畜産試験場・繁殖技術科
[連絡先] 0853ー21ー2631
[部会名] 畜産、生物工学
[専 門] 繁殖
[対 象] 肉用牛
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 黒毛和種供胚牛に過排卵処理を行う上での問題点は、個体により胚採取成績に大きな差がみられることであり、その要因として、品種、年齢、産次、季節および分娩後の日数等が指摘されている。
そこで、FSH3日間減量投与による過排卵処理により胚を安定的かつ効率的に採取するために、これらの要因および反復処理等が胚採取成績(回収胚数、正常胚数)に及ぼす影響について検討した。
[成果の内容・特徴]
- 回収胚数は産次により有意に変動し(P<0.01)、5産で最も多く、5産と4産および10産以上との間に差(P<0.01)が認められる。正常胚数は、6産において高い傾向にあった(表1)。
- 分娩後日数別では、胚採取成績に有意差は認められないが、回収胚数、正常胚数とも分娩後40~60日が最も多い(表2)。
- 同一産次で2回の過排卵処理(処理間隔140.0±14.8日)をおこなった場合、1回目と2回目との胚採取成績に差は認められず、また、3回の過排卵処理(151.7±25.8日)を行った場合も、1~3回目の成績に差は認められないが、産次が7産以上では、3回目の回収胚数および正常胚数は減少する傾向が認められる(表3、4)。
[成果の活用面・留意点]
黒毛和種供胚牛からの過排卵処理による胚採取を行う場合、供卵牛の産次は5産以上が好ましい。6産以下では同一産次で3回の反復胚採取を行っても、採取成績は低下しないが、産次が7産以上では、3回目の採取成績が低下するので、採取は2回までとする方が好ましい。
[その他]
研究課題名 : 供胚牛の過排卵処理における簡易安定化技術に関する研究
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成9年度(平成4~8年)
研究担当者 : 前原 智、岡崎尚之、安部茂樹、白石忠昭
発表論文等 : 黒毛和種供卵牛の過排卵処理による採卵成績に及ぼす要因の検討
平成8年度島根県畜産関係機関業績発表会集録、1997.
第8回西日本胚移植研究会大会講演要旨、1997.
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