- [要約]
- 豚脂肪の質は経済価値に影響し、肉の保存性や人の健康に関連する重要な形質であり、光ファイバ分光測光装置を用いた光学的技術により、非破壊で迅速かつ安価、安全に脂肪の質を評価することが可能である。
大阪府立農林技術センター・畜産部・応用畜産室
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 畜産
[専 門] 食品品質・加工利用
[対 象] 豚
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 豚の脂肪の品質は重要である。格落ちの原因となる軟脂豚は問題とされ、また、脂肪の質は食肉の保存性や人の健康にも関連する。
軟脂は人の触感によって判断され、評価に客観性が求められている。科学的に脂肪の質を測定する方法にはいくつかあるが、手間や経費を要したり、有機溶媒使用等の安全面での問題がある。迅速かつ安全、安価に脂肪の質を客観的に評価できれば、その値は経済価値の指標となるだけでなく、生産者へフィードバックすることにより品質向上を実現できる。
近年発達してきた光ファイバ法は迅速かつ安価に種々の肉質測定を可能にしている。そこで、新たに開発された装置を用いて、豚の脂肪品質を簡易に測定する方法を開発した。
[成果の内容・特徴]
- 光ファイバ分光測光装置(オプトリサーチ社製、HRS-6500)を異なった質の豚腎臓周囲脂肪に適用し、理化学的性状との関係を検討したところ、脂肪の質(硬度、融点、屈折率、脂肪酸組成)は光学特性と関連している(図1、2)。
- 種々の光ファイバ・プローブを適用した(図3)が、相関の高さはプローブの種類や波長により異なり、もっとも良かったのは内部反射型で685nm付近である(図1)。
- 光学的技術はサンプル採取の必要がなく、迅速(測光は1秒程度)かつ安全、安価に測定できる方法である。装置は小型であり、現場でも適用できる。
[成果の活用面・留意点]
- 留意点として今後、多数のサンプルに応用し、検量式や基準値を作る必要がある。
- 活用面としては食肉市場などの野外での応用が可能である。装置は、今後、さらにコンパクト化、低価格化が可能である。
[その他]
研究課題名 :「豚の肉質評価における光学的測定法の応用」ならびに「大阪特産物の高品質化のための光学的評価技術の開発」
予算区分 : 府単
研究期間 : 平成9年度(平成9年ならびに平成7~9年)
研究担当者 : 入江正和、銭忠輝、他
発表論文等 : なし
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