BLUP法による和牛種雄牛産肉能力検定(間接法)とフィールド成績との比較


[要約]
間接検定成績でその種雄牛の能力を推察するのであれば、フィールドの枝肉重量、推定歩留、脂肪交雑基準値と順位相関で有意であったことから、BLUP法により間接検定成績内の順位を求めることにより、その成績を判定するのが有効である。
島根県立畜産試験場・肉用牛科 
[連絡先]   0853-21-2631
[部会名]   畜産
[専 門]    育種
[対 象]    肉用牛
[分 類]    指導

[背景・ねらい]
 和牛種雄牛産肉能力検定(間接法)(間接検定)の肥育期間が364日となった昭和63年からのデータ(29セット233頭)および、同じ種雄牛の実際に農家で肥育されたフィールドのデータを利用して分析し、それぞれの遺伝相関を求めることにより比較検討を行ない、間接検定成績からフィールド成績推察の可能性について検討を加えた。

[成果の内容・特徴]

  1. 間接検定成績は昭和63年以降に実施された成績で、と殺時日齢が597から659日(平均値625.7標準偏差16.47、n=226)、フィールド成績は間接検定と同一の種雄牛の成績であり、と殺時日齢が670から999日(平均値847.7標準偏差54.20、n=2,939)のものを利用し、分析には最小自乗分散分析およびサイアーモデルによるBLUP法を用いた。
  2. 間接検定成績の各形質と要因の最小自乗分散分析では検定牛の出生季節および母牛の産次とも有意な要因ではなく、検定終了年はロース芯面積以外の形質で有意であり、と殺時日齢と枝肉重量、推定歩留には1次の有意な偏回帰が認められる(表1)。フィールドの成績では、出生月は推定歩留で、出荷月は枝肉重量、皮下脂肪厚および推定歩留で、出荷年は枝肉重量、皮下脂肪厚および脂肪交雑基準値で有意な変動が認められる。また、と殺時日齢は全ての形質に1次または2次の強い偏回帰が認められる(表2)。
  3. 間接検定とフィールドの同一形質間の単相関とSpearmanの順位相関について検討すると、単相関で有意な形質はロース芯面積、皮下脂肪厚、推定歩留であり、順位相関で有意な形質は枝肉重量、ロース芯面積、脂肪交雑基準値でる。枝肉単価と関係が深い枝肉重量や脂肪交雑基準値との相関が順位相関により認められることから、間接検定から種雄牛能力を推定する際には、BLUP法によりその順位を求め成績を判定するのが有効であると推察される(表3)。

[成果の活用面・留意点]

     間接検定成績を利用する際にはBLUP法により検定種雄牛の順位を求め検定種雄牛の能力判定の材料にする。肥育期間が与える肉質への影響は大きく、間接検定における検定期間および、現場検定導入の検討が必要である。

[その他]
研究課題名 : 種雄牛別肥育特性解析試験
予算区分   : 県単
研究期間   : 平成9年度(平成5年~10年)
研究担当者 : 安田康明、板垣勝正
発表論文等 : 平成8年度畜産関係機関業績発表会集録、1996.
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