高分子凝集剤を用いた酪農汚水の凝集処理効果


[要約]
酪農汚水の一次浄化処理におけるカチオン性高分子凝集剤の凝集処理効果(除去率)は、SSとCODで高く、BODとNは低い。
凝集物の発酵処理堆肥の作物発育阻害作用は認められない。
兵庫県立淡路農業技術センター・畜産部                    
[連絡先]   0799-42-4883
[部会名]   畜産        
[専 門]    環境保全       
[対 象]    乳用牛  
[分 類]    指導

[背景・ねらい]
 酪農経営では尿やミルカー洗浄水等の汚水が多量に排出されるため、適切な浄化処理対策が必要である。酪農汚水には繊維類が多く含まれており、二次処理としての生物的処理を効果的に行うためには、安定した一次処理が必要である。この一次処理として、カチオン性高分子凝集剤を用いた凝集処理効果を明確にするとともに、凝集物の発酵堆肥における作物栽培への影響を検討した。

[成果の内容・特徴]

     搾乳牛25頭規模の牛舎から排出される汚水を、凝集分離処理と生物膜処理とを組み合わせた浄化方式で処理した。凝集剤にはカチオン性高分子凝集剤(主体はポリアクリルアミド)を100倍水道水で溶解した液を使用した。凝集物の脱水・除去にはスクリュー型分離脱水機(ウエッジロールシリンダ方式)を使用した。原水区分は、バーンクリーナ溝での分離尿・ミルカー洗浄水・廃棄乳・雑排水の混入汚水を低濃度原水とし、これにバーンクリーナ排出ふんの搾汁液を加えた汚水を高濃度原水とした。
  1. 高分子凝集剤を用いた凝集処理効果(表1表2
    ・凝集剤溶解液使用濃度は低濃度原水で約9%、高濃度原水で約32%であった。使用濃度が高くなると凝集効果は高まるが凝集剤が分離水に残留し、使用濃度が低くなると凝集効果が低下し、共に分離脱水機での脱水・除去が困難となる。
    ・高分子凝集剤使用による一次処理効果は、除去率でSS>COD>BOD>Nの順であり、高濃度原水の方が高い除去率であったが、分離水の性状は共に安定している。
  2. 凝集物発酵処理堆肥の作物発育阻害作用(表3表4
    ・小松菜による発芽試験及びトウモロコシによる栽培試験において、牛ふん堆肥と凝集物堆肥との差はなく、凝集物発酵処理堆肥の作物発育阻害作用は認められない。

[成果の活用面・留意点]

    原水の性状に応じた適正な濃度の凝集剤溶解液を使用することが必要である。

[その他]
研究課題名 : 家畜ふん尿汚水浄化処理試験
予算区分   : 県単
研究期間   : 平成7~8年度
研究担当者 : 高田 修、福尾憲久
発表論文等 : 高分子凝集剤を用いた酪農汚水浄化処理施設の性能調査、兵庫農技研究報告[畜産編]、第33号、1997.
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