- [要約]
- ノシバは5月以降10月まで高い生産量を維持するが、寒地型短草種は5月以降の生産量は低下する。これらを組み合わせると、夏期生産量の落ち込みが少なく高い生産量を維持し、春から秋にかけた牧養力が安定する。
山口県畜産試験場・大家畜部・草地飼料科
[連絡先] 08375-2-0258
[部会名] 畜産、総合研究
[専 門] 動物栄養
[対 象] 牧草類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- ノシバと短草型牧草を組み合わせた草地による、夏期の牧養力の安定化を検討するため、ノシバ(流通ノシバ:熊本系)、短草型草種(芝草型トールフェスク:スノーTF・ケンタッキーブルーグラス:スノーKBⅡ)および3種混播(オーチャードグラス、トールフェスク、白クローバ)の4草地の牧養力(CD=10a当たりのTDN量÷体重500kg黒毛和種雌維持TDN量)の比較を行った。
[成果の内容・特徴]
- 気象:平均気温は平年と差はなく、日照時間は平年に比べ5月から9月までの間8月の下旬を除き短く、降水量は7月下旬から8月中旬までは平年より若干多く、9月中旬以降は少ない。(図1)
- 調査方法は、平成9年の5月から10月まで毎月1回、黒毛和種雌5頭による放牧管理を行い、草量前後差法により牧区当たりの生産量を算出した。
- 乾物生産量は、ノシバ以外の草種では5月以降9月まで低下し、10月で僅かに上昇する傾向にあったが、ノシバは5月から8月まで高い生産量を維持し、生産量の低下した9月、10月においても他草種に比べて高い水準にあり、5月から10月までの間は寒地型草種を補完している。(図2)
- 短草型草種(ノシバ、スノーTF、スノーKBⅡ)を組み合わせた草地と3種混播草地ともに5月の牧養力がもっとも高く、9月に向け減少し、9月牧養力/5月牧養力の割合は3種混播草地で19%になったのに対し、短草型草地の組み合わせでは34%と3種混播に比べ安定する。(図3)
- 寒地型短草種はノシバに比べて嗜好性が良く、生産量に対する利用量の割合が高いが、各月の乾物利用量は7月を除き差がない。(図4)
[成果の活用面・留意点]
- 春から秋にかけた牧養力の安定化に、寒地型短草種との組み合わせが有効である。
- ノシバ草地と寒地型短草種を組み合わせた草地を造成する場合、寒地型草種の播種量またはノシバ草地に対する造成面積比を検討する必要がある。
[その他]
研究課題名 : シバ草地を基盤として肉用牛の繁殖・肥育一貫生産技術の体系化
予算区分 : 地域基幹
試験期間 : 平成9年度(平成6~10年度)
研究担当者 : 太田壮洋
発表論文等 : なし
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