暑熱期における卵重減少防止効果


[要約]
暑熱期の栄養摂取不足等による卵重の減少を防止し、M、Lの規格割合を多くするため高栄養飼料による効果を検討した。卵重は飼料中のME、CP濃度を約10%高くすることで重くできる。
京都府畜産研究所・中小家畜部
[連絡先]   0773-47-0301
[部会名]  畜産
[専 門]    動物栄養
[対 象]    鶏
[分 類]    指導

[背景・ねらい]
 暑熱期には飼料の摂取不足等が原因で卵重が減少し、M、L規格は供給減少により高い価格で取引される。
 そこで夏期に白色卵殻鶏で飼料消費量が約10%減ることに注目して、市販成鶏用飼料(ME2800kcal/kg,CP17.5%以上)に魚粉、2種混トウモロコシ及び植物性油脂等を添加して、MEとCPを市販飼料より5%(ME2898kcal/kg,CP18.1%以上)、10%(ME3044kcal/kg,CP18.9%以上)、15%(ME3205kcal/kg,CP19.6%以上)程度高めた飼料を調製し、白色卵殻鶏で飼料の利用性、産卵性及び卵質等を7月24日~9月24日まで調査した。

[成果の内容・特徴]

  1. 卵重増加効果は10%区が最も優れ、市販区に比べて約1.9g(3.2%)重くなる。(図1)
  2. 卵重規格割合でも10%区は市販区に比べM、L等の大玉の規格割合が20ポイント程度増加する。(図2)
  3. 産卵率は10%区と市販区で差が認められないが、日産卵量は10%区が明らかに優れ、市販区に比べ2.6g多くなる。飼料消費量は10%区と市販区の間に差はなく、ほとんど同じである。(表1)
  4. 卵形は、老齢鶏のように細長くはならない。また、ハウユニットや異物等の卵質への悪影響も認められない。(表2)

[成果の活用面・留意点]

     白色卵殻鶏の成果であり、暑熱期の飼料消費量の落ち込みが白色卵殻鶏よりも高率である褐色卵殻鶏では十分な成果が得られない場合がある。また、飼料消費量が落ちているので、飼料中の他の養分(Ca、微量要素等)濃度もME、CPに併せて高める必要がある。
     体重は試験終了時には対照区に比べて過肥気味であり、飼料消費量の回復に伴い元の飼料に戻す必要がある。
     なお、魚粉は鶏卵中に魚臭がつくので、アメリカでは5~10%以上配合しない方が良いといわれている。

[その他]
研究課題名 : 卵重調節
予算区分   : 府単
研究期間   : 平成8年4月~平成9年6月
研究担当者 : 吉岡正行、松田誠一、衣川貞志
発表論文等 : 京都府畜産研究所試験成績、第37号、1997掲載予定
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