- [要約]
- 粗濃比の異なるTMR(混合飼料)間における飼料の第一胃内分解パラメータには大きな差はないが、粗飼料割合が高くなると第一胃内通過速度が低下するために第一胃内での飼料CP有効分解度は大きくなる。
広島県立畜産技術センター・飼養技術部
[連絡先] 08247-4-0331
[部会名] 畜産
[専 門] 動物栄養
[対 象] 乳用牛
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 給与飼料の個々の分解特性や粗濃比により第一胃内の発酵や通過速度が変化し、飼料の第一胃内における分解度は変化する。高泌乳牛の生産性を向上させるためには、飼料 CPの利用を高める必要があるが、これら飼料の分解特性や通過速度に関する情報は少ない。
そこで、粗濃比(粗飼料はトウモロコシサイレージ、ヘイキューブ)を異にしたTMR(混合飼料)を給与し、粗濃比がTMRを構成する個々の飼料原料の第一胃内CPの有効分解度に及ぼす影響を調査する。
[成果の内容・特徴]
- TMR構成飼料原料間の第一胃内分解パラメータは明らかな差が認められる(表1)。
- 泌乳牛を用い調査したTMRの第一胃内通過速度は、粗飼料割合の高いTMR 45:55(粗飼料:濃厚飼料=乾物比45:55、以下同じ)が、TMR 30:70、TMR 37:63に比較し有意に遅い(P<0.01ないしP<0.05)(表2)。
- 粗濃比の違いがTMR構成飼料原料のCP第一胃内分解パラメータの易分解性分画の割合(a)、難分解性分画の割合(b)に及ぼす効果に有意差は認められない。b分画の分解速度定数(c)はTMR45:55が有意に小さい(P<0.01)が、第一胃内CP有効分解度(dg)に及ぼす影響は大きなものではない(表3)。
- 第一胃内CP有効分解度(dg)は、飼料の通過速度が遅いTMR45:55で有意に大きい(P<0.01)(表3)。したがって、 同じ分解パラメータの飼料であれば、通過速度が遅くなるほど有効分解度は大きくなる。
[成果の活用面・留意点]
CP有効分解度は粗濃比により変化し一定値でないことが判明したため、粗飼料の種類や粗濃比の水準ごとに第一胃内通過速度を把握し有効分解度を提示する必要がある。
[その他]
研究課題名 : 高泌乳牛における乳蛋白質向上のためのルーメンコントロール技術
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成9年度(平成7~9年)
研究担当者 : 新出昭吾
発表論文等 : 『粗濃比の異なるTMR給与下のホルスタイン種乳牛におけるTMR構成飼料原料の粗蛋白質の第一胃内分解特性』、 第93回日本畜産学会大会講演要旨、1997.
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