- [要約]
- オガクズと乳牛の原尿の混合では、堆肥化過程で発熱温度はあまり上昇しないが、オガクズと牛糞堆肥を等量混合した材料に乳牛の原尿を加え、さらに植物油を2%加えると著しく高温発熱をおこなう。
島根県立畜産試験場・草地飼料科
[連絡先] 0853-21-2631
[部会名] 畜産
[専 門] 環境保全
[対 象] 乳用牛
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 乳牛の原尿には窒素と加里の含量が多く、肥料として積極的に活用する方法を検討する必要があると考えられる。肥料として利用するためには、木質資材などと混合して堆肥化することが一つの方法であるが、耕種部門で堆肥として利用するためには、病原菌の殺菌、雑草の種子の枯殺、低水分化、容積の低下、ハンドリングのし易さなどの条件が求められ、そのためには堆肥化過程でできるだけ高温発熱をおこなう必要がある。
[成果の内容・特徴]
- 乳牛の原尿とオガクズを同量混合した材料では、堆肥化過程においてあまり発熱温度は上昇しないが、この混合物に植物油を2%添加した材料では、発熱温度がかなり上昇する(表1、図1)。
- オガクズと同量の牛糞堆肥に乳牛の原尿を混合した材料では、堆肥化過程であまり温度は上昇しないが、この混合物に植物油を2%混合した材料では、温度が顕著に上昇し60℃以上になる。また、この混合物に油カスを5%添加した材料の温度も高く、50℃以上になる(表1、図1)。
- 以上のことから、乳牛の原尿の高温発熱堆肥化をおこなう場合、水分調整材としてのオガクズとの混合のみでは不十分で、植物油を添加することによりかなりの高温発熱が起こる。しかし、著しい高温発熱を起こすためには、植物油添加の上に牛糞堆肥を混合する必要がある。つまり戻し堆肥が有効である。
[成果の活用面・留意点]
植物油は乳牛の原尿の堆肥化に有効であり、食用油の廃油の処理に役立つ。また、水分の低い戻し堆肥を利用すれば、水分調整材の節減にもなる。連続的に堆肥化が可能であるが、肥料成分としての尿中の窒素の発酵過程における消長について検討する必要がある。油カスの添加はコストの問題もあるが、堆肥の肥料成分の増加になり、販売が可能となれば、コストの問題は解消されるものと考えられる。
- 表2 [具体的データ]
[その他]
研究課題名 : 家畜糞尿の処理と肥料化に関する試験
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成9年度(平成8~11年)
研究担当者 : 帯刀一美、鎌田隆義、西村亜津子
発表論文等 : 未発表
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