- [要約]
- あひる精液採取に人工膣法を用いることで、マッサージ法の約5倍の精子数が得られ、精子運動性も向上する。また、人工授精の受精成績も、人工膣法で採取した精液がやや高く、人工膣法は優れた方法と考えられる。
大阪府立農林技術センター・畜産部・飼養技術室
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 畜産
[専 門] 繁殖
[対 象] 他の家禽類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 肉用あひるの改良において、人工授精は極めて有用な手法であるが、最も基本となる精液の採取が困難で、従来行ってきたマッサージ法は、個体毎、採取毎に結果のばらつきがが大きい。そこで、改良法として、雄を雌に乗駕させて射精を促す人工膣法を検討し、精液の採取成績および人工授精後の受精成績について、従来のマッサージ法と比較する。
[成果の内容・特徴]
同一群由来の12羽の雄を、人工膣法、マッサージ法に各6羽ずつ無作為に振り分け、約2週間の訓練を行った結果、両手法とも6羽中5羽からの精液採取が可能になった。これらの雄からの精液採取成績(個体別、5回反復)を比較し、以下の結果を得た。
- 人工膣法では、マッサージ法に比べ、約5倍(平均)の精子数が得られる(図1)。
- 精子の運動性についても人工膣法由来の精液において高い(P<0.05,図2)。
- マッサージ法が助手を要するのに対し、人工膣法では1人での精液採取が可能である。
両手法由来の精液のうち、糞尿による汚染のないものを各々混合して雌に人工授精し、受精成績(人工授精後1週間)を比較した結果、
- 人工膣法において、やや高い傾向が認められる(図3)。
以上のことから、あひる精液の採取において、人工膣法は従来のマッサージ法に比べ、極めて効率の良い手法と考えられる。
[成果の活用面・留意点]
人工膣法により、量、質ともに安定した精液の確保が可能になるので、優良雄選抜のための能力検定や、斉一性の高い素ヒナ生産への応用が考えられる。ただし、良好な精液採取成績を保つには、雄の乗駕欲の過剰な亢進や減退を避けるため、週1回程度の精液採取をコンスタントに実施する必要がある。また、最適採取頻度については今後、明らかにする必要がある。
- 図4 [具体的データ]
[その他]
研究課題名 : 高品質肉用アヒルの早期造成と利用技術
予算区分 : 府単
研究期間 : 平成9年(平成7~9年)
研究担当者 : 笠井浩司、出雲章久
発表論文等 : 高能力ヒナ生産に向けたあひる人工授精技術の開発、平成9年度大阪食とみどりの新技術、1997.
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