集落ぐるみ型集落協業経営方式運営のポイント


[要約]
集落ぐるみ型集落協業経営方式の運営には、「集落貢献型」の方向への動機づけを行うことが重要である。特に農作業の精神的魅力の低下が懸念される中にあっては、「相互扶助精神」、「集落への貢献意欲」に働きかけることが有効である。
滋賀県農業試験場・栽培部・経営機械係
[連絡先]  0748-46-3081
[部会名]  営農、総合研究
[専 門]    経営
[対 象]   
[分 類]   普及

[背景・ねらい]
 農業労働力の脆弱化が進展し、担い手確保は重要な課題となっている。そこで安定兼業稲作地帯での集落ぐるみ型集落協業経営方式運営のポイントを明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 滋賀県で取り組まれている集落協業経営方式(図1)は、①担い手が多数の第2種兼業農家であること、②組織目標が集落の農地の維持保全にあること、③その運営が相互扶助、平等主義に基づくムラの論理に依拠することが特徴である。
  2. 集落ぐるみ型集落協業経営方式をとる南桜農業生産組合は、集落貢献型(図2)の取り組みが積極的に展開されている。組合員世帯の成人300名を対象に意識調査を行ったところ、230名から回答を得た。その結果、①農業観の中では、若年齢層の農作業に対する精神的魅力の低下が懸念されること、②集落観の中では、「相互扶助の精神」、「集落への貢献意欲」が男女をとおして高く、年齢層間の差も小さいことが明らかとなった(表1)。
  3. 集落貢献型の取り組みを積極的に展開した結果、組織への貢献意欲、組織の結束力などが大きく高まった。このことは、組織運営の安定化につながるとともに、生産改善型の取り組みが展開される基盤となる(図2)。
  4. 以上のことから集落ぐるみ型集落営農では、「相互扶助精神」、「集落への貢献意欲」に働きかけて組織への貢献意欲を高め、運営に当たることが重要なポイントとなる。

[成果の活用面・留意点]

     今後の集落協業経営方式の設立、運営指導の参考となる。ただし、ここで取り上げた集落協業経営方式は、第2種兼業農家による集落ぐるみ型であることに留意する。

[その他]
研究課題名 : 安定的稲作兼業地帯における代替的稲作生産組織主体の形成と運営方法の確立
予算区分   : 国補
研究期間   : 平成8~9年
研究担当者 : 藤井吉隆、伊藤久司、山田善彦、中井譲、谷川聰一
発表論文等 : 「集落協業経営方式型生産組織の展開方向」平成9年度日本農業経営学会個別報告、1997.10
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