- [要約]
- 水稲病害虫防除法の機械化新技術を慣行と比較して、費用試算を行った。産業用無人ヘリコプタは作業可能面積172haで経費26千円/ha、水田管理トラクタ107ha・25千円/ha、水田ビークル64ha・28千円/ha。
兵庫県立中央農業技術センター・経営実験室
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 営農、機械・施設
[専 門] 作業
[対 象] 稲類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- 水稲病害虫防除作業は多くを背負動力散布機または動力噴霧機に依存してきたが近年、担い手の弱体化等を背景として高性能機械による合理化の動きが高まってきた。着実な面積拡大をみているのは、産業用無人ヘリコプタ(RCヘリ)による防除である。さらには乗用型の防除作業機の開発、実用化が進みつつあるが、その費用を明らかにした資料は少ない。そこで本稿は、現地調査から慣行散布法と比較しながらRCヘリ、水田管理トラクタ、同ビークルの費用試算と技術、作業性の特徴を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 年間延べ作業可能面積は、RCヘリが172ha、水田管理トラクタ107ha、水田ビークル64ha、動力噴霧機39ha、背負式動力散布機27haと試算された(表1)。
- 作業可能最大面積における散布経費は、RCヘリが約26千円/ha、水田管理トラクタ25千円/ha、水田ビークル28千円/ha、動力噴霧機41千円/ha、動力散布機35千円/haとなる(図1)。固定費はRCヘリで、変動費は動力散布機で一番高くなった(表3)。農家が個人で普通に多く用いている動力散布機は割高であった。規模の小さい経営などは、個人で機械を所有するよりはRCヘリによる委託散布(約32,250円/ha)が経済的である。
- RCヘリ防除は、作業面積とオペレータの確保による適正操業度の達成が課題となる。また水田管理トラクタと水田ビークルについては、複合作業機能を発揮させるための操作精度の向上が必要である。
[成果の活用面・留意点]
- 薬剤散布費用には、本田2回散布の平均農薬費用を含んでいる。
- 防除作業法の違いにより、作業可能面積、規模別薬剤散布経費の逓減度が異なるので、稼働面積と作業者能力を考慮した作業法の選択が必要である。
- 費用試算に用いた労働単価は一律に時給1,893円としており、特殊技能を必要とするRCヘリのオペレータ時給を2倍に高めた場合、散布経費は2,840円/haが追加される。
- 表2 [具体的データ]
[その他]
研究課題名 : 農業経営実証試験(水稲防除法の違いによる経済性の検討)
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成9年度(平成8年~9年)
研究担当者 : 松本 功、宮本 誠、米谷 正
発表論文等 : 水稲病害虫防除法を中心にした機械化新技術の経営評価、兵庫県農業技術センター研究報告(農業編)、第46号、1998.
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