借り手農家が重視する借地(水田)の条件


[要約]
借り手農家は、個人で改善できる「ほ場の生産力」に関する条件より、人為的に変更できない「ほ場の立地・社会条件」や、集落単位で実施すれば効果の上がる「基盤整備条件」を重視する傾向にある。
岡山県立農業試験場・経営調査部
[連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 営農
[専 門]  経営
[対 象]
[分 類]  行政

[背景・ねらい]
 農業者の高齢化や後継者の不在等による経営面積の縮小や離農に伴い、農地貸借は借り手市場の傾向が強まっている。このため、農地貸借を促進するための借り手側の借地条件を明らかにし、条件整備を進める必要がある。

[成果の内容・特徴]

  1. 農業者が重視する条件
     借り手農家は、土地基盤に関する条件を借地の際に最も重視しており、次いで農地の立地条件、生産力条件を重視する傾向にある。土地基盤に関わる条件では、「排水の良否」や「ほ場1枚の面積」、「ほ場の形状」、「農道の幅」等を重視していた。農地の立地に関する条件では、「自宅からの距離」や「入落水の時期」等を重視していた。土地生産力に関する条件では「収量水準」や「雑草の発生程度」等であった(表1)。なお、「排水の良否」が最も重視されているのは、調査対象地域が岡山県南部であり、直播栽培や麦作を導入している経営が多いためと考えられる。
  2. 農業者が期待する借地条件の範囲
     借り手農家が考えている理想的な条件は「ほ場1枚の面積」が平均65.0aで、「自宅からの距離」は、7.1km以内、「収量水準」は553kg/10aであった(表2)。  
  3. 農地貸借促進のための方策
     以上のことから農地貸借を促進するための農地情報には、所有者、地番等の基本的情報に、ほ場毎の「土地基盤に関わる条件」を優先して加えることが望ましく、また、条件不良地域では土地基盤整備を積極的に推進することが必要である。

[成果の活用面・留意点]

     借地に当たって農家が重視する項目は、経営の発展段階、水稲の栽培法、作付け体系等によって異なると考えられるので留意する必要がある。

[その他]
研究課題名 : 水田条件別農作業受委託の成立条件
予算区分   : 県単
研究期間   : 平成9年度(平成9~11年)
研究担当者 : 喜井 啓
発表論文等 :
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