根域制限によるブドウ「ピオーネ」の密植ホリゾンタル整枝栽培の早期成園化


[要約]
根域制限下におけるブドウ「ピオーネ」の密植ホリゾンタル整枝栽培は、早期成園化が可能で、幼木段階から大幅な早期多収となり、現在の平棚短梢せん定栽培と同等の果実品質が得られる。
兵庫県立中央農業技術センター・農業試験場・園芸部
[連絡先]   0790-47-1117
[部会名]   果樹
[専 門]     栽培
[対 象]     果樹類
[分 類]     普及

[背景・ねらい]
 現在の短梢平棚整枝栽培は、生育期間中両腕をあげたままのきびしい作業が多く、また、成園化するまでの初期収量が少ない。そこで、省力化のもと、楽な姿勢で樹体管理ができる短梢せん定のホリゾンタル(一文字)整枝栽培法を確立し、併せて早期成園化を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 本試験は図1に示すような方法で行い、根域制限は透水性のある防根シートを用いた。植栽間隔は畝間2.5m、株間5mと10m、畝幅60cmと90cmで行った。
  2. 根域制限の密植ホリゾンタル整枝栽培は、株間を5m、畝幅90cmにすることで、従来の平棚整枝に比べて、早期成園化が可能で、樹齢4~5年で成園化する。また、樹齢3~6年目の累積収量は慣行の平棚対比162%で、幼木段階から多収となる(図2)。
  3. ホリゾンタル整枝では、根域を制限しなければ、樹勢が強すぎ、着色、糖度等で果実品質が劣る(表1)。
  4. 高品質果実を得るための結果枝当たりの葉数は15葉以上で、平棚整枝の果実品質と同程度になる。摘心処理が強いほど、果粒肥大は優れるが、着色が悪く、糖度がやや低くなる(表2)。
  5. 以上、ホリゾンタル整枝栽培は株間を5m、畝幅90cmで、平棚整枝より早期多収が可能であり、結果枝当たり15葉以上を確保することで、平棚整枝とほぼ同等の果実品質が得られる。

[成果の活用面・留意点]

  1. ホリゾンタル整枝栽培の地表下は透水性のある防根シートで根域を制限するため、非透水性のプラスチックフィルムに比べて、土壌水分の変化が緩慢で、水分管理はかなり省力的である。しかし、盛夏期には週2回程度のかん水が必要である。
  2. 本栽培法は露地、施設ともに利用できる。

[その他]
研究課題名 : 中高年・女性に適した果樹園の快適マネージメントシステムの開発
予算区分   : 地域重要新技術
研究期間   : 平成9年度(平成6~10年)
研究担当者 : 福井謙一郎、荒木 斉
発表論文等 : 根域制限によるブドウの垣根整枝栽培、園芸学会近畿支部、1996.

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