多主枝整枝法によるニホンナシ「ゴールド二十世紀」の早期増収技術


[要約]
ニホンナシ「ゴールド二十世紀」の間伐樹の樹形を多主枝整枝とし、慣行の3本主枝整枝の永久樹と組み合わせることで、早期増収(6年目.5t/10a)が可能である。
鳥取県園芸試験場・果樹研究室 
[連絡先]   0858-37-4211
[部会名]  果樹
[専 門]    栽培
[対 象]   果樹類
[分 類]    普及 

[背景・ねらい]
 ニホンナシ「二十世紀」は、樹体の老木化、黒斑病発生の慢性化により生産性が低下している。耐病性品種「ゴールド二十世紀」への改植更新が急がれるが、成園化に年月を要することから、改植面積が伸び悩んでいる。植え付け後の早期増収技術を確立し、改植の促進を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 栽植密度はA:40本/10a(列間5m×樹間5m)と、B:80本/10a(同5×2.5)に分けて行った。いずれも永久樹20本を慣行の整枝(基本的に3本主枝)とし、残りの間伐樹を多主枝整枝(9~13本主枝)とした(図1)。
  2. 多主枝整枝樹は、植え付け1年目に発生した新梢を、全て主枝候補枝として育てる。さらに2年目に2分させて結果枝の確保に努める。
  3. Aでは、主枝先端を長い添え竹で上方へ誘引し先端新梢の伸びを旺盛にし、樹冠拡大を早める。若齢時に隣接樹の干渉が少ないので、永久樹の樹形を、目標樹形に近い形に伸ばすことが可能である。反面、添え竹誘引に労力を多く要する。
  4. Bでは、Aのような添え竹による誘引は行なわない。先端新梢の伸びがAより劣り、個々の樹冠拡大は小さいが、本数が多いので早期に棚面を埋めることができる。また、間伐樹の主枝は、樹列間をふさぐように平行に伸ばすことにより、効率的に配置できる。
  5. A、Bともに、慣行整枝より多主枝整枝の方が樹冠拡大が早く、収量も多くなる。
  6. 10a当たりの収量は、A,Bともに、植え付け6年目で5tに達する。これは、全樹を一律に慣行整枝とした場合(推定値)より3~5割多い値である(図2)。

[成果の活用面・留意点]

     植え付け1~2年目に多数の主枝(結果枝)を確保し、この枝を細く長く、短果枝が等間隔(5~10cm)着生している、いわゆる「かずら枝」に作り上げることが重要である。そのポイントは、1)枝の先端を立てること、2)切り返しを少なくして、枝の長さを確保すること、3)短果枝花芽のせん除を最小限にとどめ、短果枝の維持に努めることである。

    表1 [具体的データ]

[その他]
研究課題名 : ゴールド二十世紀の特性解明と高品質果実生産技術の確立、鳥取県特産青ナシのブランド化高度安定技術の確立
予算区分   : 県単
研究期間   : 平成9年度(平成3~7年、8~12年)
研究担当者 : 吉田 亮、井上耕介、池田隆政、村田謙司
発表論文等 : ニホンナシ‘ゴールド二十世紀’の栽培法に関する研究(第1報)、園学雑65別1、1996. 同(第3報)園学中四国支部要旨、35、1996.
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