- [要約]
- ハクサイ根こぶ病菌による汚染土壌の菌密度を推定するため、従来の生物検定法を改善したセルトレイ底面給液法を考案した。この方法は検定場所が少面積となり、管理作業も省力化でき、抵抗性品種簡易選抜や病原性の検定にも利用できる。
和歌山県農業試験場 ・ 病虫部
[連絡先] 0736-64-2300
[部会名] 生産環境(病虫害)、総合研究
[専 門] 作物病害
[対 象] 葉茎菜類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- ハクサイ根こぶ病の防除対策には発病ほ場の菌密度や病原菌の系統の把握が必要である。土壌菌密度の検定方法は農業研究センター編「連作障害総合防除システム開発の手引き;圃場菌密度の簡易検定の手順」(以下常法)に示されている。しかし、この方法 は水受け容器上でのポット栽培のため、かん水管理が煩雑で広い面積を要する。このため、一度に省力的に多数検定できる方法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- セルトレイ底面給液による検定手順
(1) 検定土壌の調整は常法による
(2) 三角形の吸水マット片をセルの底穴から6~8cm程度垂らし、検定土壌をセルに充填する(図1)。
(3) セルトレイ板を水受けバットの上に固定した支持棒を挟み込むようにして設置する(図1)。
(4) セルトレイ1穴あたり検定ハクサイ種子を4~5粒は種し、常法と同期間栽培して検定する(図1)。2反復とする。
- 本法は、検定植物の播種45日後でもセル間の汚染がない。
- 検定作物、検定期間が異なっても、菌密度の検定精度は常法と同様である(表1)。
- 本法は、水分環境が均一で、検定土壌や検定品種を替えると抵抗性品種の簡易選抜や病原性検定に利用することができる(表2)。また、常法に比べ、検定に要する面積は1/2以下ですみ、検定作物のかん水等管理労力も省ける。
[成果の活用面・留意点]
- 検定土壌が滞水しないため根腐れによる枯死は少ないが、春秋期のべと病の発生に注意し、初期防除に努める。
[その他]
研究課題名 : 軟弱野菜の高生産性及び根こぶ病発生抑止技術の開発
予算区分 : 地域基幹
研究期間 : 平成8年度~平成9年度(平成6~10年度)
研究担当者 : 吉本 均、大須賀 ゆかり
発表論文等 : セルトレイ底面給液によるハクサイ根こぶ病菌密度の簡易検定法、関西病害虫研究会報第40号、講演要旨(発表予定)
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