アブラナ科野菜根こぶ病の発病を抑制する拮抗細菌の選抜法


[要約]
分離細菌をハクサイ種子にコーティングして発芽させ、根こぶ病菌の根毛感染率を1.0%以下に抑える拮抗細菌は、根こぶ形成も抑制する効果が高く、根こぶ形成を待たずに拮抗細菌を選抜できる。
兵庫県立中央農業技術センター・農業試験場・環境部 
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 生産環境(病害虫) 
[専 門]  作物病害 
[対 象]  葉茎菜類
[分 類]  研究

[背景・ねらい]
 根こぶ病は、キャベツ、ハクサイ、カブなどのアブラナ科作物の最も大きな生産阻害要因の一つである。兵庫県において、ハクサイ、キャベツ産地の崩壊は本病によるものが多く、産地の維持には本病の防除対策を確立することが不可欠である。さらに、生産現場では、環境負荷低減のために大量の薬剤をほ場に投入することが敬遠されている。そこで、生物的防除法を確立するために、効率のよい拮抗細菌の選抜法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. ハクサイ種子(品種:緑雲白菜)を検定菌液に30分間浸漬後、バーミキュライトを充填したセル成型トレイ(400穴)に播種する。それを根こぶ病菌を接種したバーミキュライト上に置き、トレイの底部から伸長した根に根こぶ病菌が感染するようにする(図1)。
  2. 根こぶ病菌の検出方法は、根部をていねいに水洗し、50ppmコットンブルーの5%フェノール水溶液に浸漬後、胚軸下1.5~2cmの根毛を検鏡し遊走子のうを形成した感染根毛を調べる。
  3. 根こぶ病菌の根毛感染率が1.0%以下となるような拮抗細菌は、根こぶ形成を抑制する効果が高いのでこれらを選抜する(図2)。
  4. キャベツ、レタス、トマトから分離した蛍光色素を産生する細菌100株を対象に、本方法を用いて検定した結果(図3)、HAI02010、00377、00916の3菌株が選抜され、ポット試験において発病抑制効果が認められる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本方法により根こぶ病に対する拮抗菌を選抜できるので、拮抗菌の選抜とそれを用いてほ場での生物的防除試験を行う。
  2. 選抜用種子はチンゲンサイでも良い。

[その他]
研究課題名 : 植物内生型細菌による土壌病害の防除技術の開発
予算区分   : 県単
研究期間   : 平成9年度(平成8~10年)
研究担当者 : 相野公孝、前川和正、坂本 庵
発表論文等 : 根圏細菌接種による根こぶ病菌の根毛感染量の変化、土と微生物第50号(講要)、1997.

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