- [要約]
- トマト苗をendophytic pseudomonads 2菌株を含む培土で育成することにより、菌株はトマト根内に侵入し定着する。本苗は、トマト青枯病に対して環境要因に左右されることなく高い発病抑制効果を示す。
兵庫県立中央農業技術センター・農業試験場・環境部
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 生産環境(病害虫)、総合研究
[専 門] 作物病害
[対 象] 果菜類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 兵庫県においては、トマトの栽培面積450ha のうち200haに青枯病が発生し、その被害は約8億円と推定され、生産阻害の最大要因となっている。耐病性台木による接木栽培、農薬や太陽熱利用による土壌消毒、他作物との短期輪作等の防除対策が講じられているが効果は不十分である。そこで、endophytic pseudomonadsを用いた本病の生物的防除法を確立する。
[成果の内容・特徴]
- トマト、キャベツ、レタス、サンショの根面・根内から蛍光性Pseudomonas 30,000菌株を分離し、シードリングバイオアッセイチャンバー法によりPseudomonas fluorescence FPT9601、Pseudomonas sp. FPH9601の2菌株を選抜した。
- バーミキュライトと赤玉土を2:1に混合し、両菌株を各106 ~107 CFU/gの菌密度に混入した培土(図1)を、セルトレイ(200穴)に堅く充填してトマト種子を播種し、湿度 100%、温度 28℃に5日間置き、その後慣行育苗する。
- 両菌がトマト苗根内に侵入すると、葉齢、茎径には影響を及ぼさないが、葉裏にアントシアンが蓄積し、草丈が伸びない(図2)。
- 本培土で育苗したトマト苗を青枯病汚染ほ場に定植すると、高い発病抑制効果を示す(表1)。
- 本培土で育苗した苗の発病抑制効果は、ほ場の汚染程度が高くなると劣る傾向があり、ほ場の発病株率が50%を越えるところでは、十分ではない(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 本培土は、endophytic pseudomonadsを混入しているため、播種するだけでトマト苗に拮抗菌を接種することができる。
- 本培土は、HT9601セル成型育苗用培土として現在農薬登録に向けての作業を行っている。
[その他]
研究課題名 : 天敵・拮抗微生物を用いた生物的防除法の開発
予算区分 : 地域基幹
研究期間 : 平成9年度(平成6~10年)
研究担当者 : 相野公孝、前川和正、坂本 庵
発表論文等 : Biocontrol of bacterial wilt of tomato by producing seedlings colonized
with endophytic antagonistic pseudomonads, 4th PGPR Workshop ,1997.
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