乾田不耕起直播栽培に特異的に発生が多い病害と防除薬剤の効果


[要約]
乾田不耕起直播栽培ではすじ葉枯病と葉鞘腐敗病の発生が特異的に多い。すじ葉枯病にはチオファネートメチル水和剤、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤、同フロアブルがイミノクタジン酢酸塩・フサライド粉剤と同様に有効、両病害にはメトミノストロビン粒剤が有効である。
岡山県立農業試験場・病虫部 
[連絡先]  08695-5-0271
[部会名]  生産環境(病害虫)
[専 門]   作物病害
[対 象]   稲類 
[分 類]   研究

[背景・ねらい]
 乾田不耕起直播栽培は移植栽培、乾田耕起直播栽培とは栽培環境が異なるため、病害の発生様相も異なると考えられる。そこで、本栽培法における病害の発生消長を調べ、発生が多かった病害に対する薬剤の効果を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 乾田不耕起直播栽培では移植栽培に比べてすじ葉枯病と葉鞘腐敗病の発生が多い(表1)。
  2. すじ葉枯病に対して、チオファネートメチル(70%) 水和剤、イミノクタジンアルベシル酸塩(40%) 水和剤、同(30%)フロアブルの穂揃期および傾穂期の2回散布、メトミノストロビン(6%)粒剤(10a 当たり3kg) 、同(15%) 粒剤(10a 当たり1kg) の1回散布は、本病菌による穂枯れ、葉の病斑のいずれに対しても対照のイミノクタジン酢酸塩(1.5%)・フサライド(2.0%)粉剤の2回散布と同等の防除効果が認められる(表2)。イミノクタジン酢酸塩・フサライド粉剤の散布適期は穂揃期(出穂4日後)および傾穂期(同12日後)である(表3)。メトミノストロビン(6%)粒剤は7月2日(出穂62日前)、8月26日(同7日前)、同(15%) 粒剤は7月10日(出穂55日前)、8月22日(同12日前)のいずれの処理も有効で、出穂期に近い方が効果が高い傾向である(表3)。
  3. 葉鞘腐敗病に対してはメトミノストロビン(6%)粒剤、同(15%) 粒剤が有効で、出穂期に近い方が効果が高い傾向である(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. イミノクタジン酢酸塩・フサライド粉剤はすじ葉枯病菌による穂枯れに登録があるが、チオファネートメチル水和剤、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤、同フロアブル、メトミノストロビン粒剤は現在未登録である。
  2. メトミノストロビン粒剤は処理時に展開中の葉身に褐色小斑点を生じることがあるが、実用上問題ない。

[その他]
研究課題名 : 大区画乾田不耕起直播技術による超省力・超低コスト稲作技術体系の確立
予算区分   : 地域基幹
研究期間   : 平成9年度(平成6~10年)
研究担当者 : 金谷  元、伊達寛敬、那須英夫
発表論文等 : なし

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