- [要約]
- 水稲の湛水土中直播きにおいて、イネ紋枯病のチフルザミド剤を過酸化カルシウムと共に、種子にコーティングした種子を播種することによって、本田でのイネ紋枯病の防除ができることを明らかにした。
山口県農業試験場・環境部・病害虫研究室
[連絡先] 0839-27-0211
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物病害
[対 象] 稲類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 本県の瀬戸内平坦部では担い手の減少、高齢化が進み、生産構造が変化しつつある。こうした中で大区画化圃場が整備され、経営規模の拡大が模索されている。一方、規模拡大をはかるためには病害虫防除にも革新的な省力技術が求められている。そこで、西南暖地の水稲の重要病害であるイネ紋枯病を対象として省力的で効果の高い防除技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
- イネ紋枯病防除薬剤であるチフルザミド水和剤またはチフルザミドフロアブルを、催芽籾に過酸化カルシウムとともに種子コーティングすることによって、本田での紋枯病の防除が可能である。
- 種子コーティングの手順は、催芽処理したイネ種子に乾燥籾重量と等量の過酸化カルシウムを湿粉衣し、その上に上記いずれかの薬剤をコーティングする。さらに乾燥籾重量と等量の過酸化カルシウムを湿粉衣する。なお、コーティングする際には霧吹き等で水を少量加える。
- 水和剤を用いる場合には、あらかじめ過酸化カルシウムと均一に混和しておき、催芽処理したイネ種子に、同時に処理することも可能である。
- 本法によれば、現行の薬剤の本田散布による防除と同等の効果が得られる。
- 本法は現行の防除法と比較して非常に省力的であり、従来の防除法のように圃場外へのドリフトがなく、散布時の薬剤吸入等もなく、環境負荷の少ない防除技術である.
[成果の活用面・留意点]
- 本法による防除にはチフルザミド水和剤またはチフルザミドフロアブルの農薬登録が必要である。
- 本方法によるイネ紋枯病の防除法については、現在特許申請中である。
- 本方法は湛水土中直播きで使用できる。
- 図1、図2、図3、表1 [具体的データ]
[その他]
研究課題名 : 地域基幹農業技術体系実用化研究
水稲乾田・湛水直播と麦類の省力栽培技術の確立
水田直播栽培における省力防除試験
病害防除の省力化
予算区分 : 国補
研究期間 : 平成9年度(平成6年~11年)
研究担当者 : 井上 興、河村俊和、角田佳則、鍛治原寛
発表論文等 : 特許申請中
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