- [要約]
- 50mメッシュ標高データ(1/20細分メッシュ)と衛星データを用いて、50×50mメッシュ単位で水田の可照時間を推定した。このデータは地域の農業環境把握のため基礎資料として利用できる。
広島県立農業技術センター・環境研究部・企画情報部
[連絡先] 0824-29-0521
[部会名] 生産環境(農業気象)
[専 門] 農業気象
[対 象] 稲類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 地形の複雑な中山間地域において、農作物の栽培管理を適切に行うためには、農業環境をきめ細かく把握する必要がある。そこで、50mメッシュ標高データと衛星データを用いて、広島県北部、芸北町を対象とし、芸北町の水田の可照時間分布状況を50×50mメッシュ単位で推定する。このデータと作物生育、病害虫発生との関係を明らかにすることにより、水稲のみならず各種転作作物の安定・高品質生産に利用できる。
[成果の内容・特徴]
- 50mメッシュ標高データ(1/20細分メッシュ)を用いて周辺地形による遮蔽効果を判定して、可照時間を計算し、可照時間メッシュデータを作成した。ランドサットTMデータ(平成2年5月21日観測)を用いて土地利用区分図を作成し、両者を50×50mメッシュに幾何補正して芸北町域を切り出した。さらに、土地利用区分図を用いて水田のみを抽出し、芸北町の水田可照時間メッシュデータを作成した(図1)。
- 可照時間メッシュデータは日単位で推定でき、町全域あるいは水田において50×50m メッシュ単位で可照時間の分布状況を面として把握できる。町全域の8月の合計可照時間は、最長が413時間、最短は170時間、平均366時間で最長メッシュと最短メッシュでは1日当たり7.8時間の差がある。
- 水田メッシュでは8月の合計可照時間は、最長が403時間、最短は272時間、平均372時間で最長メッシュと最短メッシュでは1日当たり4.2時間の差があり、可照時間が365~379時間の水田が最も多く201ha(35%)を占めている(表1)。
[成果の活用面・留意点]
50mメッシュ可照時間データは地理座標を持っているため地点が特定でき、水稲品種選定の基礎資料などに利用できる。しかし、メッシュ標高データは1/20細分メッシュデータを用いているため地形の複雑な所ではより細かいメッシュデータの利用が望まれる。
[その他]
研究課題名 : リモートセンシングによる農業環境の把握と作物管理技術への応用
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成9年度(平成8~10年)
研究担当者 : 谷本俊明、原田昭彦、上原由子
発表論文等 : なし
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