大豆系統「東山165号」の準奨励品種採用


[要約]
大豆系統「東山165号」は現奨励品種「エンレイ」と比較して、収量・品質とも安定して上回っており、タンパク含量も同等に高いことから、「エンレイ」の代替品種として準奨励品種に採用する。
鳥取県農業試験場・作物研究室
[連絡先]  0857-53-0721
[部会名]   作物生産(育種)
[専 門]   育種
[対 象]   大豆
[分 類]    普及

[背景・ねらい]
 県内の大豆栽培面積は平成9年で約800ha、奨励品種は「タマホマレ」と「エンレイ」の2品種で、6:4程度の比率である。このうち「エンレイ」は、大粒・高タンパクで加工適性に優れるが品質の年次変動が大きく、紫斑・腐敗・しわ粒が発生しやすい欠点を持つ。
 一方「タマホマレ」は、収量・品質が高く安定しているが晩熟で、低タンパクであり、全栽培面積を占めるに至っていない。そのため、高品質・高タンパクの早生品種を選定する必要があった。

[成果の内容・特徴]

  1. 開花期は「エンレイ」並、成熟期は1週間程度遅い早生品種である(表1)。
  2. 主茎長は「エンレイ」よりやや短く、茎が太く、茎質も強く、倒伏しにくい。蔓化、莢先熟、立枯の発生も見られない。また、ダイズモザイクウイルスに抵抗性である。主茎節数、分枝数とも「エンレイ」を上回る(表1)。
  3. 着莢が密であるため㎡当莢数が多く、「エンレイ」より安定して多収である(表1)。
  4. 紫斑・腐敗・虫害・しわ粒の発生が少ない。裂皮粒の発生頻度は「エンレイ」「タマホマレ」より高いが、そのほとんどは等級に影響しない軽微なものであり、品質は「エンレイ」を上回る(表2)。
  5. 百粒重は「エンレイ」より小さく、「タマホマレ」並で、粗タンパク含量は「タマホマレ」より高く「エンレイ」並である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 「エンレイ」に代わる早生の奨励品種として採用し、県内平坦~中山間地帯での普及を図る。
  2. 早播、晩播とも「エンレイ」以上に適応性が高いが、早播で若干紫斑・腐敗粒が増加する。
  3. 煮豆では硬くなる傾向がある(育成地調査)ので、豆腐を主用途とする。

[その他]
研究課題名 : 大豆奨励品種決定調査
予算区分   : 国補
研究期間   : 昭和9年度(昭和53年~)
研究担当者 : 橋本俊司、大浜武志、湯谷一也(現日野農林振興局)
目次へ戻る