水稲の中山間地における黒色再生紙を活用した有機質肥料の施用による栽培法


[要約]
移植時に低温となる中山間地においては、除草に黒色再生紙マルチを用い、基肥にコシヒカリの場合なたね油粕80kg/10a施用し、本田病害虫防除2回で慣行栽培に近い生育・収量が得られる。
鳥取県農業試験場・作物・環境・経営技術研究室
[連絡先]  0857-53-0721
[部会名]  総合研究、作物生産(育種・栽培)
[専 門]   栽培
[対 象]   稲類
[分 類]   指導
 

[背景・ねらい]
 化学合成物質への依存度を減らした環境保全型農業の1手段として、再生紙マルチ栽培があり広く普及し始めている。しかし、中山間地では再生紙マルチに伴う地温低下による初期生育の遅延等の問題があった。そこで、再生紙を着色(黒色)することにより初期生育を確保する栽培方法を確立し、中山間地への普及を図る上での資料とする。

[成果の内容・特徴]

  1. 黒色再生紙を用いることにより、従来の再生紙に比べ初期生育が旺盛となる。また、遅れ穂が少なく穂数が多い傾向があり収量が向上する(表1)。 
  2. 基肥はなたね油粕80kg/10a、鶏ふん灰20kg/10aにすることで初期生育が確保できる。追肥はなたね油粕70kg/10a(出穂前23日)を施用する(表2)。
  3. 葉いもち、イネミズゾウムシ等に対して残効の長い育苗箱施用剤を用いることにより、本田病害虫防除は出穂前の穂いもち、穂ぞろい期後のカメムシ防除が中心となり、本田薬剤防除(除草剤含む)回数は慣行の半分となる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 移植時の低温条件による初期生育の遅延が収量に影響する中山間地を対象とする。
  2. 品種はコシヒカリを対象とした試験であり、他品種の場合は施肥基準が異なる。作期は4月下旬から5月上旬移植を対象とする。

[その他]
研究課題名 : 生態系を活用した水稲の持続的生産技術の確立
予算区分   : 地域重要新技術
研究期間   : 平成9年度(平成7年~9年)
研究担当者 : 三谷誠次郎、大浜武志、稲坂恵美子、長谷川優、松田悟、伊藤邦夫
発表論文等 : なし
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