- [要約]
- 大豆種子の発芽試験の発芽床に、 0.7%の寒天を用い、は種時に発芽に必要な種子吸水量の不足分を注水すると、途中の水分管理が不要なうえ、砂およびろ紙発芽床法に比較して、簡便で安定した発芽力の測定ができる。
兵庫県立中央農業技術センター・農業試験場・原種農場
[連絡先] 0790-66-2449
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専 門] 育種
[対 象] 豆類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 大豆種子の発芽試験の発芽床には、主要農作物種子の審査法の中で、砂またはろ紙を用いるように決められている。しかし、その内容は具体的には示されておらず、砂には粗い細かいがあるうえ、大豆は発芽時の酸素要求量が大きいので水分管理が難しく、発芽の不揃いや失敗が多い。一方、ろ紙を用いると一層きめ細かい水分管理と熟練が必要となる。
- そこで、川砂を用いた発芽床法を対照として、寒天濃度0.3~0.7%の培地を発芽床に用いた、簡便な大豆種子の発芽試験法を検討する。
[成果の内容・特徴]
寒天を発芽床に用いた大豆「タマホマレ」種子の発芽試験(図1)は、下記の手順で行う。
- 濃度 0.7%の寒天溶液をつくり、水平な場所に置いた発芽試験容器 (16cm×12cm×深さ 5cm) に厚さ 1.5cm になるように入れ放冷凝固させる。
- 寒天の上に種子100粒を等間隔にならべる。
- 発芽に必要な種子吸水量の不足水分 35ml を寒天上全面にいきわたるように注水する。
- 発芽試験中の乾燥を防ぐために、発芽試験容器の上を透明フイルムで被覆する。
- 25℃・照光条件の発芽試験器に入れる。
以上の方法を用いると、砂発芽床法やろ紙発芽床法に比べて測定値のバラツキが極めて小さい結果が得られる (表1)。また、試験途中の水分管理が不要である。
[成果の活用面・留意点]
- 発芽の判定は、主要農作物種子に係る生産物審査基準に基づいて実施する。
- 本法中の注水量 35ml は、品種「タマホマレ」に対する適量である。他の品種を用いる場合は注水量の検討が必要である。
[その他]
研究課題名 : 大豆種子発芽試験法の改良(原種生産管理改善試験)
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成 9年度(平成8~ 9年)
研究担当者 : 上川信行、二見敬三
発表論文等 : ひょうごの農業技術 №94号(平成9年11月)
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