- [要約]
- 水稲湛水直播栽培において、被覆尿素肥料を基肥1回施用することにより、慣行分施体系の70~80%の窒素量で同等以上の収量が得られる。この場合、速効の窒素成分は特に必要なく、放物線タイプの比率を高めることにより初期生育は確保できる。
山口県農業試験場・経営作物部・普通作物研究室
[連絡先] 0839-27-0211
[部会名] 総合研究、作物生産(育種・栽培)
[専 門] 栽培
[対 象] 稲類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 高齢化、担い手の減少等生産構造が脆弱化している中で、水稲についても省力化が強く求められており、湛水直播栽培は重要な技術として位置づけられている。しかしながら、過繁茂対策、生産安定のための施肥体系についての検討が十分になされていない。また、施肥回数の削減による施肥の省力化も求められていることから、緩効性肥料の種類と配合割合、及び施肥量について検討し、省力施肥技術を確立する必要がある。
[成果の内容・特徴]
- 被覆尿素配合肥料を基肥1回施用することにより、慣行の分施体系の70~80%の施肥窒素量で、同等以上の収量が得られる(表1、3)。
- 速効の窒素成分を配合すると初期の生育は旺盛であるが、やや過繁茂気味となって収量への効果は明らかでない(表1、2)。
- 速効の窒素成分をなくし、放物線タイプ(LP)とシグモイドタイプ(LPSS)の被覆尿素のみを施用する場合、LPの配合比率を高めると、初期から生育量が確保しやすい(表2)。
- 被覆尿素配合肥料の基肥1回施用では、窒素吸収量が高まって増収する場合でも、玄米窒素含量への影響は小さい。
[成果の活用面・留意点]
- 水稲湛水直播栽培における施肥改善の参考となる。
- 水稲湛水直播栽培用肥料開発の参考となる。
- 圃場条件や品種の特性により、適する肥料の配合比率や量は異なると思われる。
- 直播の栽培様式や肥料の溶出特性が異なる場合は、別途検討が必要である。
[その他]
研究課題名 : 水稲直播を基幹とした野菜・麦類の省力軽作業化輪作技術の確立
予算区分 : 地域基幹
研究期間 : 平成6~9年度
研究担当者 : 中司祐典、久保喜昭、藤岡正美、平田俊昭
発表論文等 :
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