回転作業台を利用した作業ラインによるホウレンソウの調製・包装作業の省力化


[要約]
ホウレンソウの調製・包装作業のための、回転作業台を試作した。これを調製・包装作業体系に組み込むことにより所要作業労力が最大で34%短縮できる。
奈良県農業試験場・高原分場・地域特産開発チ-ム
[連絡先] 0745-82-2340
[部会名] 総合研究、機械・施設、野菜・花き(野菜)
[専 門]  作業
[対 象]  葉茎菜類
[分 類]  普及

[背景・ねらい]
 ホウレンソウ経営で、調製・包装作業は全労働時間の約70%を占め、経営規模拡大の阻害要因となっている。産地では、包装機械を個別に購入する事例が増えているが、充分な省力効果をあげていない。このため包装機械の効率を最大にする作業ラインを組み立てる。

[成果の内容・特徴]

  1. 作業者の動作を減らしかつ作業間の連携を円滑にするため、回転作業台を試作した。これは厚さ12mm直径90㎝の合板製の円形の回転部分と台座部分からなり、中心軸は直径12mmのボルト、回転部はキャスター3個で支持される。材料費は約2,000円である。包装機械はアイパッカー(F社製)を使用した。
  2. 古葉とりと根切りを行なったホウレンソウを卓上に並べ、計量し包装する従来の方式では、作業者2人の場合、1人当たり1時間で25.4袋(1袋200g)を作ることができる(ライン0)。
  3. ライン0に包装機械を利用すると1人当たり1時間で28.4袋で、省力効果はほとんど認められない(ライン1)。
  4. ライン1に回転作業台を組み込むと、1人が古葉とり・計量・根切りしたホウレンソウを回転作業台上に置き、他の1人は台を回転させるだけでホウレンソウに手が届く。作業の流れが連続し、調製後のホウレンソウの移動と改めて束を整える工程が省略でき、1人当たり1時間で35.1袋と速くなる。包装作業に空き時間が生じるため、包装作業者は4.2袋について1袋の割合で調製作業者と同じ作業を行なう(ライン2)。
  5. 作業者を3人に増やし、調製2人、包装1人とすると、1人当たり1時間で42.6袋と、さらに早くなる。包装作業者は5.6袋について1袋の割合で調製作業者と同じ作業を行なう(ライン3)。
  6. 作業者4人(調製3名)としても1人当たり1時間で41.6袋と、ライン3以上には早くならない(ライン4)。回転作業台を用いた最適な作業者数は3ないし4人と考えられる。ライン3,4では、ライン1に比べて34%、ライン0に比べて40%調製・包装作業時間を短縮できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 回転作業台は製作が容易で、包装機械や作業者の数に柔軟に対応できるが、効果的に使うためにはパート雇用などで3~4人の作業者を確保することが望ましい。
図1表1 [具体的データ]

[その他]
研究課題名 : 中山間地資源利用による高品質野菜の周年生産技術
予算区分   : 地域基幹
研究期間   : 平成9年度(平成7年~9年)
研究担当者 : 中野智彦、杉本好弘
発表論文等 : 奈良県農試情報
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