- [要約]
- 少量土壌培地耕はイチゴ栽培に適応性が高く、栽培床を高床とすることで作業姿勢の改善が図られる。また培養液管理は単剤のOK-F-1を用いると利便性が良く、非循環施用に比べ栽培期間中の施肥削減が図られる循環施用が有効である。
滋賀県農業試験場・栽培部・野菜係
[連絡先] 0748-46-3081
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専 門] 栽培
[対 象] 果菜類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 施設野菜栽培では、同一作物の連作による障害が問題となっており、その対策として除塩や土壌消毒などに多労を要している。また、イチゴ栽培では腰をかがめて行う作業が多く作業姿勢の改善が課題である。すでに、滋賀農試では、緩衝能力を持つ土壌ともみがらを培地とした少量土壌培地耕を開発し、キュウリ・トマトでは土耕栽培と同等以上の収量を得ている。そこで、栽培床を高床とした少量土壌培地耕によるイチゴ栽培で、作業姿勢の改善を図るとともに養液管理について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 栽培装置は、床幅20㎝、高さ10㎝の木枠に、厚さ1㎝の発砲スチロールを両側面および底面 に敷き、厚さ1㎜の透明ビニルフイルムをかけ、下層3㎝にもみがら、その上層に土壌を詰めて1m程度栽培床を高くする(図、写真)。高床式とすることで定植および防除、収穫等の作業姿勢の改善が図られる。
- 施肥量は、a当たり大塚0K-F-1非循環施用がN 1.88㎏、P2O5 1.00㎏、K2O 0.87㎏、循環施用ではそれぞれ1.56-0.83-0.73㎏であり、循環施用は非循環に対し、17%施肥の削減ができる。
- 総収量は、両品種とも大塚A処方に比べ大塚OK-F-1でやや多い。上物収量は‘とよのか’で、大塚OK-F-1の非循環が409㎏/aとやや多い。‘女峰’では350㎏/a前後で培養液管理の違いによる収量差は認められない(表1)。
- 果実糖度は、両品種ともに12月から3月までは9~10%、4月から5月にかけては、やや低い傾向となる。‘とよのか’では、4月以降大塚OK-F-1の非循環施用でやや高い数値となるが、その他の区では培養液管理による差は認められない(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 排水不良により培養液がベッド内に停滞すると酸素欠乏が生じやすいので、排液管理に十分留意する。
- 生育後期になると気温が上昇し吸水量が増加するので、給液管理に留意する。
[その他]
研究課題名 : 施設野菜のクリーン・省力生産技術試験
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成8年度(平成7~8年)
研究担当者 : 猪田有美、岡本將宏、常喜弘充
発表論文等 : ベンチアップ方式によるイチゴ少量土壌培地耕の培養液管理、園芸学会、66巻別冊2、1997.
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