- [要約]
- 秋には種したキャベツのセル成型苗は、冬期間不織布をべたがけし積雪下で保存できる。この越冬保存させた苗は早春に移植が可能である。慣行の秋移植栽培に比べ収穫時期が遅れるが、収量・品質に差はなく、越冬栽培の安定化につながる。
兵庫県立北部農業技術センター・農業部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 野菜・花き(野菜)、総合研究
[専 門] 栽培
[対 象] 葉茎菜類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 県北部地域の初夏穫りキャベツ栽培は、9月中旬には種し育苗後晩秋に植え積雪下で越冬させて、6月中旬に収穫する作型である。この作型でセル成型苗を移植する場合、苗の不揃いや移植適期を失するなどによって凍害による枯死株が発生することがある。また、春移植栽培を取り入れる場合には、低温期育苗の困難さや労力がかかる問題がある。
そこで、秋には種・育苗したセル成型苗をトレイごと露地積雪下で越冬させ、融雪後の補植に有効利用する対策や春移植栽培の省力、安定化をはかる方法を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 越冬保存用セル成型(128穴トレイ)苗のは種日は、慣行の9月中旬より半月~1か月程度遅らせ9月下旬~10月中旬とする(表1)。降雪前に殺菌剤を散布したセル成型苗をトレイごと底を土と密着させ、不織布(光透過率90%以上)をべたがけし露地積雪下で保存する。
- 越冬保存させたセル成型苗は、葉齢が進んでいるが、欠落した葉もある。しかし、は種日の違いによる欠株率の差は少なく1.2~1.6%である(表2)。
- 越冬保存させたセル成型苗は、春融雪を待って液肥を施用しすみやかに移植する。3月中旬に移植しても、キャベツはその後順調に生育する。
- 慣行の秋移植栽培の収穫始期は6月5日、終期6月25日であるのに対し、越冬保存セル成型苗春移植栽培はそれぞれ6月16日、7月7日となり、収穫始期、終期とも10日程度遅くなる(図)。しかし、収穫したキャベツは収量、品質とも地床苗及びセル成型苗の慣行秋移植栽培と同等である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- 山間高冷地や日本海型気候の積雪地帯に適用できる技術である。
- キャベツ生産の安定化と作付期間の延長が図れ、収益の向上及び生産規模の拡大につながる。
- 越冬保存場所は、融雪時に湿害を受けない排水の良いところを選ぶ。
[その他]
研究課題名 : 移植・播種の機械化による多品目高品質野菜生産技術
予算区分 : 国庫助成(地域基幹)
研究期間 : 平成9年度(平成6~10年)
研究担当者 : 福嶋 昭、岩本 豊、佐藤 喬
発表論文等 : なし
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