サンショウの台木用イヌザンショウの実生苗増殖法


[要約]
磨傷処理と水浸漬処理(5℃、1日間)によりイヌザンショウ種子を発芽させ、さらに幼苗にVA菌根菌を接種して生育促進することにより、イヌザンショウ実生苗の増殖が可能である。
京都府農業総合研究所・野菜部
[連絡先]  0771-22-6492
[部会名]   野菜・花き(野菜)
[専 門]    栽培
[対 象]    工芸作物類
[分 類]    指導

[背景・ねらい]
 サンショウの実とり栽培で栽培されているアサクラザンショウ(Zanthoxylum piperitum f. inerma )の種苗増殖は通常、接木で行われ、台木としてはサンショウの近縁種であるイヌザンショウ(Z. schinifolium )の実生苗が最適とされているが、その増殖法に関する研究事例は見当たらない。そこでイヌザンショウ実生苗の増殖法を開発するために、種子の発芽条件を解明すると共に、幼苗にVA菌根菌を接種して苗の生育促進を図ることを検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. イヌザンショウの種子(Mo-1系統、京都府北桑田郡美山町で採取、10月下旬)は、無処理では発芽しないが種皮に傷を付けると発芽することから、硬実種子であると考えられる。種子の予措としては、磨傷処理(乳鉢に種子を入れて乳棒で軽く掻き混ぜ、種皮に傷を付ける)が有効である(表1)。
  2. 磨傷処理した種子をシャーレ内の蒸留水に浸漬処理(5℃、1日間)すると、発芽率が高くなる(表2)。
  3. 本葉を展開した幼苗(発芽後1か月目)にVA菌根菌(Gigaspora margarita GS1411、セントラル硝子製)を接種すると、接種後3か月目のVA菌根菌接種苗の茎葉重、根重(生体重)は無接種苗に比べ、それぞれ約6.3倍、3.8倍となり、顕著な生育促進が見られる(表3)。
  4. VA菌根菌接種苗の圃場での活着は良好で、落葉後の接種苗の幹重、根重は無接種苗に比べ、それぞれ約2.3倍、2.1倍となり、圃場においても生育促進が見られる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 実用的な技術とするためにはさらに種子の発芽条件を調査し、発芽率を高める必要がある。 

[その他]
研究課題名 : サンショウ優良台木の増殖技術       
予算区分   : 府単                                 
研究期間   : 平成9年度(平成5~8年)           
研究担当者 : 橋本典久                           
研究論文等 : 京都府農業研究所研究報告に掲載予定。
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