促成・半促成ナスの果皮障害発生条件と遮光による抑制技術


[要約]
ナスの果実が結露していない日中にも、強日射条件下で’ハの字型’の果皮障害が発生し、がくの裏面組織より浸出するヤニ状物質の果皮への付着がその発生を助長する。遮光資材の内張により、障害発生率が低下する。
大阪府立農林技術センター・栽培部・野菜花き室   
[連絡先]   0729-58-6551 
[部会名]    野菜・花き(野菜)  
[専 門]    栽培  
[対 象]    果菜類  
[分 類]    研究

[背景・ねらい]
 ナスの促成・半促成栽培において4月から5月の曇天あるいは雨天後の快晴時に多発する、八の字型のただれ症状を呈する果皮障害の原因究明とその対策技術を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 南北棟のハウスにおいて、西端の畝より4~6畝目で約33%の果実に障害が発生するのに対し、中央から西側の2~4畝では果皮障害が55%の高率で発生する(表1)。
  2. 果皮障害には’ハの字型’と’点状ピッティング’の2種類のパターンがあり、日中に発生する本障害は、がく部位より浸出し、ハの字型状に果皮に付着しているヤニ状物質の下の表皮細胞・組織が脱水・陥没・褐変するハの字型症状である(図1)。
  3. 障害発生日における午前中の最大日射量は、1.4 MJ/時にすぎないが、日中の最大日射量が12時に2.7 MJ/時を示すほどの強光条件が、東側の畝に比べ中央から西側の畝におけるナスの果皮障害が多発した原因と推定される(図2)。
  4. 朝4時に10mmの雨量を観測し、午前中曇り、午後快晴となった5月17日は、無処理区の全果実の8%に障害が発生し、快晴となった翌18日も無処理区で33%の障害が発生したが、果皮に付着しているヤニを水洗した果実では両日とも全く障害が発生しない(表2)。
  5. 日中に障害が発生していることから、遮光率約25%の銀色ワリフをハウス内で連続展張すれば、無処理区の43%の発生率に対し、展張区では障害発生を28%に抑制できる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

     遮光資材の連続展張あるいは遮光率の高い資材を使用すると、ナスの樹勢が低下するため展張方法について注意が必要である。

[その他]
研究課題名 : なにわ特産ナスの高品質安定生産技術  
予算区分    : 府単    
研究期間    : 平成9年度(9~11年)        
研究担当者 : 森下正博ほか
発表論文等 : ナスの果皮障害発現に及ぼす蒸散処理の影響 大農技セ研報、30巻、1993.
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