- [要約]
- ホウレンソウの生育、内部品質は地下水位の影響を受ける。栽培中期の地下水位の上昇による内部品質の変化は小さいが、生育は大きく阻害される。地下水位上昇による生育阻害は、上昇水面より上に遮根シートを埋設することにより防止できる。
中国農業試験場・畑地利用部・野菜栽培研究室
[連絡先] 0773-42-9905
[部会名] 野菜・花き
[専 門] 栽培
[対 象] 葉茎菜類
[分 類] 研究
-
[背景・ねらい]
- 米の生産調整に伴う転作野菜の作付面積が増加しており、各種野菜の適正地下水位が生育面から検討されているが、地下水位が内部品質に及ぼす影響は十分検討されていない。そこで、水田での作付面積の増加が著しいホウレンソウを対象に、栽培中期の地下水位上昇が生育ならびに内部品質に及ぼす影響を調査する。さらに、地下水位上昇に伴う生育阻害を防止するため、遮根シートの埋設による根域制限効果を埋設深を変えながら検討する。
[成果の内容・特徴]
- 地下水位が変動しない場合、ホウレンソウの生育は地下水位が低い方が旺盛となる。また、内部品質の糖ならびにアスコルビン酸含量は減少し、硝酸ならびにシュウ酸含量は増加する(表1)。
- 栽培中期に地下水位が10cm上昇すると、初期の地下水位が70cmと低くても生育は阻害される。内部品質には大きな変化はない(表1)。
- 遮根シート(ポリエステル)の埋設により、地下水位上昇に伴う生育阻害は防止される。内部品質には大きな変化はない(表2)。
- 地下水位が遮根シートより上の根域に達すると、生育は大きく阻害される。内部品質には大きな変化はない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成果は秋の長雨、菜種梅雨、梅雨時等における地下水位の急激な上昇に適用できる。
- 灰色低地土での栽培中期の反応であり、土壌の種類や生育ステージによって影響は異なると思われる。
- 遮根シート埋設面の均平に留意し、明渠の併用が望ましい。
[その他]
研究課題名 : 転換畑における高品質野菜生産技術の開発
予算区分 : 経常
研究期間 : 平成9年度(平成7年)
研究課題名 : 輪換畑における土壌水分管理による高品質野菜生産技術の開発
予算区分 : 営農合理化[国研共同(千葉県)]
研究期間 : 平成9年度(平成3~5年)
研究担当者 : 荒木陽一、村上健二、濱野 恵(野菜茶試)、山田 盾(農研センター)
発表論文等 : 輪換畑における地下水位制御による高品質野菜生産技術の開発、園芸学会誌、63巻別冊1、1994
目次へ戻る